Apple、インド年間売上高が過去最高の80億ドル

AI要約

アップルのインドにおける年間売上高が80億米ドルに達し、過去最高を更新した。主要な要因は中間層の人口増加と高価格帯のiPhoneによる貢献だ。

インドはアップルにとって有望市場であるが、低価格帯の端末が主流であり、iPhoneのシェアはわずか3.5%にとどまる。競争が激しく課題も多い。

アップルはインド市場を重視し、直営店の展開やモディ首相との会談を通じて積極的な施策を講じている。

 米アップルのインドにおける年間売上高が80億米ドル(約1兆2700億円)に達し、過去最高を更新した。同社は世界最大の人口大国であるインドを重視しており、製造と販売の両面で施策を講じている。低価格帯端末が主流の市場であるものの、最近は中間層の人口が増えており、アップルの業績に好影響を及ぼしている。

■ インド売上高33%増も、シェアわずか3.5%

 米ブルームバーグ通信や英ロイター通信によると、24年3月までの1年間におけるアップルのインド売上高は約80億米ドルで、前年の同じ期間の60億米ドルから約33%増えた。売り上げの半分以上は高価格帯のiPhoneが占めており、インドにおける同社成長のけん引役になっている。

 インドは中国に次ぐ世界第2位の携帯電話市場であり、アップルにとって魅力的な国である。だが、同社は、低価格帯端末が主流となる市場環境や、地場メーカー、中国・韓国のメーカーとの競争激化といった課題も抱えている。

 香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、インド市場は米グーグルのOS「Android」搭載の中低価格帯中国製端末が主流であり、現在使用されている約6億9000万台のスマホの中で、iPhoneのシェアはわずか3.5%程度にとどまる。

 23年9月末までのアップル全体の年間売上高は、3832億8500万ドル(約60兆7000億円)だった。このうち、香港と台湾を含む中華圏は725億5900万ドル(約11兆5000億円)で、全体の約19%だった(決算資料)。アップルはインドの売上高を公表していない。しかしブルームバーグ通信によると、インドの80億ドルが占める比率は2%程度にとどまる。

■ クックCEO「インドiPhone販売、過去最高達成」

 それでもアップルはインドを有望市場と見込み、様々な施策を講じている。23年4月には同社初のインド直営店をオープンした。商都ムンバイと首都ニューデリーの2店舗である。このときティム・クックCEO(最高経営責任者)はインドを訪れ、モディ首相やチャンドラセカール電子情報技術担当相と会談した。