オラクル、「Exadata Exascale」を発表--「Exadata」のメリットをより幅広く提供

AI要約

OracleはExadata Exascaleの提供を開始し、クラウド向けに新しいインテリジェントデータアーキテクチャを提供する

Exascaleはリソースの柔軟な利用やAI、ストレージクラウドの活用など、様々な特徴を持つ

インテリジェントなOLTPや分析、データベース対応のインテリジェントなクローンも特徴として挙げられる

オラクル、「Exadata Exascale」を発表--「Exadata」のメリットをより幅広く提供

 Oracleは米国時間7月11日、クラウド向けの新しいインテリジェントデータアーキテクチャー「Exadata Exascale」の提供を開始すると発表した。現在は「Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」と「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)上の「Oracle Database 23ai」で利用可能となっており、「Oracle Exadata Cloud@Customer」「OCI Dedicated Region」、マルチクラウド環境での提供も予定している。

 Exascaleは、「Exadata Cloud Infrastructure」を利用するための新しい方法の1つであるといい、「共有のコンピュートとストレージのプール上でデータベース向けに最適化された仮想インフラストラクチャーで構成されるインテリジェントなデータアーキテクチャを提供し、ハイパーエラスティックなスケーリングと従量課金制の経済性を実現する」としている。

 Exadata、スケールアウトテクノロジー開発担当シニアバイスプレジデントのKothanda Umamageswaran氏は声明で、「Exadata Exascaleはマルチテナント、ハイパーエラスティックなクラウド向けに再構築されたExadataであり、Oracle Databaseの全クラウドサービスにおける将来のアーキテクチャーでもある。Exascaleはインフラコストを最大95%削減できるため、小規模なワークロードや中小企業でもクラウド上のOracle DatabaseでExadataのメリットを活用できるようになる」とコメントする。

 Exascaleの具体的な特徴は次の通り。

柔軟な従量課金によるリソースの利用:Exascaleでは、全てのリソースを柔軟な従量課金制で利用可能で、IOPSに対する追加料金は発生しない。必要なデータベースサーバーのECPU数とストレージ容量を指定するだけで、全てのデータベースがプールされたストレージサーバーに分散され、高い性能と可用性が実現する。ユーザーは、専用のデータベースサーバーとストレージサーバーをプロビジョニングする必要はない。また、「Exadata Database Service」のエントリーレベルのインフラコストを最大95%削減でき、リソースの柔軟かつきめ細かなオンラインスケーリングも可能になる

インテリジェントなストレージクラウド:Exascaleでは、Oracleが提供するRDMA対応ストレージクラウドを提供する。このインテリジェントなストレージクラウドは、利用可能な全てのストレージサーバーにデータベースを分散する。そしてデータ認識可能でインテリジェントな「Smart Scan」を使用して、何千のCPUコアを利用可能にし、あらゆるデータベースクエリーを高速化する。さらに、データは3つの異なるストレージサーバーに複製され、高い耐障害性を実現する。Exascaleのストレージクラウドは、アクセス頻度が高いデータや頻繁にアクセスされるデータをディスクからメモリーやフラッシュにインテリジェントに移動し、高性能DRAM、高速IOPS、大容量ディスクを実現する

インテリジェントなAI:Exascaleは、独自の「AI Smart Scan」を用いて、データと計算負荷の高いAIベクトル検索処理をExascaleのインテリジェントストレージクラウドにオフロードする。AI Smart Scanと「Exadata System Software 24ai」は、主要なベクトル検索処理を最大30倍高速化し、マルチユーザー環境で何千のAIベクトル検索を同時に実行することを可能にする

インテリジェントなOLTP:サーバー間のインテリジェントな通信により、「Exascale Virtual Machine」クラスター全体で高性能なデータベースのスケールを実現する。インテリジェントで低レイテンシーのOLTP IOにより、ミッションクリティカルなトランザクションを迅速に完了するとともに、より多くのユーザーの同時実行をサポートする。Exascaleは、他のデータベースクラウドサービスと比較して230倍のスループットを実現し、他のハイパースケーラーが最大21GB/秒であるのに対し、Exascaleは2880GB/秒となっている。また、レイテンシーも50分の1に短縮され、他のクラウドプロバイダーが1000マイクロ秒であるのに対し、Exascaleは17マイクロ秒となっている。

インテリジェントな分析:独自のデータインテリジェンスにより、データ集約型のSQLクエリーがExascaleのインテリジェントストレージクラウドに自動的にオフロードされるため、分析のスループットが大幅に向上する。自動列化により、データを超高速のインメモリー列形式に変換し、Exascaleのインテリジェントなストレージクラウドのフラッシュキャッシュを自動的に使用して、処理能力と性能を向上させる

データベース対応のインテリジェントなクローン:Exascaleのインテリジェントなストレージクラウドと、リダイレクトオンライトテクノロジーにより、ユーザーは瞬時にフルコピーやシンクローンを作成できる。高度なスナップショット機能により、読み込み/書き込みソースを使用して、プラガブルやコンテナーデータベースのスペース効率に優れたクローンを簡単に作成できる。これらの開発、テスト、リカバリーコピーはすぐに利用できるほか、ソースデータベースと同じネイティブなExadataのパフォーマンスと拡張性を備えている