「俺は知事だぞ」斎藤元彦知事のブチ切れ疑惑の理由は「維新の顔」との会食

AI要約

兵庫県知事の斎藤元彦が「俺は知事だぞ」との疑惑を巡り発言について証言が食い違いがあった。

斎藤知事は出張先でのホテルでの夕食を急に希望し、職員が対応できないと伝えると激怒したとされる。

吉村大阪府知事との関係も問題となり、維新からの決別の可能性も示唆されている。

「俺は知事だぞ」斎藤元彦知事のブチ切れ疑惑の理由は「維新の顔」との会食

 「俺は知事だぞ」-。パワハラ疑惑やおねだり疑惑で窮地に立たされている兵庫県の斎藤元彦知事(46)ですが、6日の自身の疑惑告発文書問題を巡る県議会調査特別委員会(百条委員会)では、「俺は知事だぞ」の疑惑も追及されました。出張滞在先で事前予約が必要なホテルでの夕食を当日になって「ホテルで食べたい」と言い出した背景には、どうしても会食したかった政治家がいました。

 百条委が実施した職員へのアンケートでは、斎藤氏が会議に参加したホテルの夕食は事前申し込み制となっていました。斎藤氏は別のところで食事するとの意向があったので、申請はしていなかったのですが、当日になって予約制の夕食を取りたいと言い出し、職員が交渉し、「断られた」と伝えると、「俺は知事だぞ」と激怒したという証言がありました。

 斎藤氏の2度目の尋問となった6日の百条委では「ホテルで食べたい」の新たな証言がありました。

 百条委メンバーの竹内英明県議は「さらに私のもとに内部通報があった」と明かしました。

 斎藤氏が出席したのは、昨年7月25、26日の2日間にわたり、山梨県で行われた全国知事会議。初日の夕方、突然、ホテルで夕食を取りたいと言い出したため、職員が全国知事会の事務局にかけあったところ、「対応はできない」との返答ありました。

 竹内委員「職員が、そのことを伝えると車のシートを蹴って『俺は知事だぞ』と、ものすごいけんまくでキレ出したと。これは事実ですか」

 斎藤氏「事実ではないと思います」

 竹内委員「思いますではなく、ないんですか。蹴ってないんですか」

 斎藤氏「蹴ってないです」

 竹内委員「『俺は知事だぞ』。これがけっこう多いんです。これは言われましたか」

 斎藤氏「私は『俺は知事だぞ』とか、そういうので激怒することはない」

 竹内委員「知事会の場で『俺は知事だぞ』って言っても、みんな知事ですからね」

 皮肉たっぷりのツッコみに、傍聴席からは失笑が漏れました。

 その後、秘書課長、秘書広報室長から随行職員に「なんとかならないか」と次々に連絡があり、困った職員が事務局にもう1度、頼みましたが、NGでした。

 秘書課を巻き込んだ“大騒動”になったのは、斎藤氏が「ある事実」を知ってしまったからでした。

 竹内委員「突然、ホテルで食べたいと言った理由は、吉村(洋文)大阪府知事がこのホテルの中のビュッフェを食べるということを斎藤知事が知って食べたいと言い出したと。こういう話ですが事実ですか」

 斎藤氏「そうですね、はい」

 最終的に秘書広報室長がホテルの支配人に連絡し、なんとか「当日予約」で夕食を食べることができるようになりました。

 突然の“予定変更”に斎藤氏は「意見交換したいのでお願いしたのは事実」と認めました。

 斎藤氏は前回知事選で自民党と日本維新の会の推薦を受けて当選。選挙戦では日本維新の会の共同代表でもある吉村氏が何度も応援に駆け付けました。

 竹内委員「大阪府の職員に『吉村氏と食べたい』ということを伝えようとして、人がごった返す中、なんとか知り合いの大阪府の職員を見つけて、伝えると、室長がホテルの支配人に頼んで取った場所というのは個室だった。『吉村知事と個室で食べたい』と伝えると、先方から『なぜビュッフェなのに、個室で食べないといけないのか?』と断られた。これは事実ですか?」

 斎藤氏「そんな事実は、私は知りません」

 竹内委員「いっしょに食べましたか」

 斎藤氏「実際、いっしょに食べました。自然な流れでビュッフェに行って、宴会場のテーブルでいっしょに食べた。とくに個室、うんねというのはないと思います」

 竹内委員「『俺は知事だぞ』という言葉自体は分かりませんが、当初予約していなかったものを、急きょ予約しろと。それができないというのでキレたということなんですよ。ここは事実ですか」

 斎藤氏「キレたという記憶はないですが、『なんとかなればいいよね。なんとかならないですかと』お願いはしました。これはご負担かけたんだったら申し訳ないと思いますが、『俺が知事だぞ』と激怒したということはないです」

 斎藤氏と職員の証言とは食い違いを見せています。

 「ホテルでいっしょに食べたかった」、吉村氏は記者会見で「斎藤知事が県政を前に進められないと維新として判断したなら、辞職の要請、不信任も当然、選択肢に入ってくる」と話し、「決別」の可能性を示しています。

 【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)