片岡仁左衛門「大和屋さんしかいない」坂東玉三郎「勝手に兄弟のように」「婦系図」で初共演

AI要約

片岡仁左衛門(80)坂東玉三郎(74)が都内で「錦秋十月大歌舞伎」の取材会を行った。仁左衛門と玉三郎は初共演で男女の悲恋を演じる。仁左衛門は主悦役を楽しみつつ、複雑な気持ちを表現。玉三郎は41年ぶりに元芸者のお蔦役を演じ、作品の普遍的な魅力を語った。

仁左衛門と玉三郎は長い間コンビを組んでおり、仁左衛門は玉三郎を唯一の相棒として述べる。年を重ねた2人だが、今の姿を見せたいと話す。

片岡仁左衛門「大和屋さんしかいない」坂東玉三郎「勝手に兄弟のように」「婦系図」で初共演

 片岡仁左衛門(80)坂東玉三郎(74)がこのほど、都内で、「錦秋十月大歌舞伎」(同2~26日、東京・歌舞伎座)夜の部「婦系図(おんなけいず)」の取材会を行った。

 男女の悲恋を描き、新派を代表する作品。2人とも出演したことはあるが、共演は初めて。仁左衛門は、演じる語学者の主悦について「しんどい役。だって別れ話だもの」としつつ「好きな役」でもあると、複雑な気持ちを見せた。玉三郎が「多面性(のある役)がお好きなんだと思う」と代弁すると、仁左衛門がにこやかにうなずくなど、息の合ったところを見せた。元芸者のお蔦を41年ぶりに演じる玉三郎は「人間関係が濃厚だった時代の戯曲ですが、人間の情緒は普遍的」と作品の魅力を語った。

 仁左衛門の孝夫時代は「孝玉」コンビとして、その後は「仁左玉」コンビとして、半世紀にわたって支持されている。父同士(13代目仁左衛門さん、14代目守田勘弥さん)が仲が良かった縁があり、仁左衛門は「こういう雰囲気になれる人って大和屋さん(=玉三郎)しかいない」と言えば、玉三郎も「勝手に兄弟のように思ってました」と応じた。

 年を重ね、さまざまな変化もあるが仁左衛門は「今の私たちを見ていただきたい」と話している。