レコ大新人賞からの7年は「つらかった」 適応障害を告白、結婚で父に…36歳歌手の再出発

AI要約

NOBUが新曲『人となる』をリリースし、平和をテーマにした真っすぐなメッセージを込めて作曲したことを明かす。

メロディーと歌詞を同時に作る手法や簡潔な言葉を使う理由など、NOBUの音楽制作の裏側を紹介。

ジャンルにとらわれず、自由な音楽を通して希望や平和を伝えることを目指すNOBUの音楽活動の理念を語る。

レコ大新人賞からの7年は「つらかった」 適応障害を告白、結婚で父に…36歳歌手の再出発

 シンガー・ソングライターのNOBUが23日に『人となる』を配信リリースした。真っすぐなメッセージが込められたNOBUらしさあふれる1年ぶりの新曲は、新たなレーベル「Village Again Association」に所属しての“再出発”の楽曲となった。結婚や子どもの誕生と人生の新たな岐路に立ったNOBUが同作に込めた思いを明かした。(取材・文=中村彰洋)

――『人となる』はまさにNOBUさんらしい1曲でした。今作への思いをお聞かせください。

「僕の音楽には、当たり前のことを歌いたいという思いが根底にあります。『人となる』は、平和の歌だと思っています。今まで平和に対しての歌を作ったことがなかったので、僕なりに『平和ってこういうことかな』という思いで作りました。世界中でいろんな事件や戦争だったりが起きている今こそ、当たり前のことを改めて歌いたいなという思いを込めています」

――『人となる』の制作を始めたのはいつごろでしたか。

「6月ぐらいからでしたね。僕はタイトルがパンッと浮かぶことが多いのですが、今回もタイトル自体は半年前から決まっていました。曲を作る時に時間をかけるのが好きではないので、曲自体は1日で作りあげました」

――メロディーを作って、その後に作詞という流れで作られているのでしょうか。

「作曲と作詞を同時に行うようにしています。5歳からクラシックピアノを弾いていたり、いろんな楽器に触れてきたからこそ、鍵盤やギターを弾いてしまうと、メロディーにしばられてしまう感覚があるんです。なので、アカペラでメロディーと歌詞を同時に出すようにしています」

――歌詞がストレートで分かりやすいです。NOBUさんは楽曲に難しい言葉を使わない印象があります。

「僕、全く勉強してこなかったんです。漢字とかも読めなくて……。その分音楽を頑張った感じなんです(笑)。なのであえて簡単な言葉を使っているというより、自分から出てくる言葉をそのまま詩にしている感じです。歌詞をひねって伝えることが苦手なので、小さい子どもが聞いても分かるような曲にしたいなという思いもあります」

――ミュージックビデオ(MV)は絵本テイストで温かみのある映像でした。

「楽曲にメッセージ性だったり、フルオーケストラのアレンジによって壮大さがあるので、だからこそMVは力を入れずに見ていただけるようなものにしたいと考えました。MVにはリリックも書いてあるのですが、実は母親に書いてもらったんです。今回の楽曲作りは、全部を自分の周りで完結させています。イラストも宮崎の先輩に描いていただきました」

――これまでの楽曲との共通点や変化はございますか。

「僕はジャンルにこだわっていなくて、自由な音楽を通して希望だったり平和を伝えたいという思いは、音楽を始めた頃から全く変わってないです。一方で、去年結婚して、子どもが生まれてから、初めて作った歌だったんです。だからこそ、覚悟を持って、親としてどういう思いを伝えたいかという決意の歌にもなっているかなと思います」

――NOBUさんが音楽活動を通して1番伝えたい思いはどういった点でしょうか。

「1番はジャンルにとらわれないでほしいという思いです。音楽って、音を楽しむって書いて音楽なんです。とにかく自分がやりたいように奏でるのが音楽だと思っているんです。とにかく自由な音楽を通して、僕の音楽への価値観を届けたいと思っています。

 僕は、レゲエやヒップホップのフェスに出たりもしているのですが、そういったスタイルがようやく認めてもらえるようになったかなと思っています。最初は『お前はレゲエなのかヒップホップなのか分からない』と批判が多かったんです。でも、NOBUとして活動するようになってから、ずっと言い続けてることが『ジャンルにとらわれず』という部分なんです。僕のライブでも盛り上げるブロックでは、レゲエやラップだったりを取り入れています。でも1番伝えたいところは、アコースティックギターを弾きながらバラードで歌ったりしています。そういった部分が1番伝えたい音楽スタイルです」