「サマソニ」が「アイドル祭り」に…音楽フェスで「洋楽離れ」が深刻、伝説の歌姫登場も目立った空席

AI要約
サマーソニックは毎年夏に開催される都市型音楽フェスティバルで、今年のイベントではアイドルグループや日本のアーティストが主役となる傾向が見られた。欧米の大物アーティストが過去に出演していたが、今年はアイドルが多く登場し、会場の盛り上がりも相応であった。過去のサマーソニックではコールドプレイやザ・ヴァーヴなどの欧米アーティストがヘッドライナーを務めていたが、今年はクリスティーナ・アギレラやアイドルグループが注目された。イベント中には観客が増える場面もあったが、洋楽アーティストのステージと比較すると、アイドル関連のパフォーマンスが多くなっており、それぞれのファン層が異なることがうかがえる。
「サマソニ」が「アイドル祭り」に…音楽フェスで「洋楽離れ」が深刻、伝説の歌姫登場も目立った空席

 国内最大級の夏の音楽フェスティバルとして知られるサマーソニック。毎年8月の土曜、日曜にかけて開催される恒例の都市型音楽フェスで、今年も17日と18日の2日間にわたり東京会場(千葉・幕張メッセ&ZOZOマリンスタジアム周辺)と大阪会場(万博記念公園)で開催された。サマソニをめぐっては昨今、洋楽の比重が少なくなっているのでは、との不満の声が上がっているが、実際はどうだったのか。

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 サマソニ東京会場を取材した音楽ライターがこう明かす。

「私が参加した18日は、午前11時からZOZOマリンスタジアムのステージに旧ジャニーズの7人組男性アイドルグループWEST.が出演。さすがに、午前中とあってアリーナやスタンド席の左右の空間は埋まっていませんでしたが、デビュー10周年記念のユニフォームを着た女性ファンが大勢駆け付け、重岡大毅の煽りでジャンプを繰り返し熱気いっぱい。その後、妊娠中のちゃんみなが膨らんだお腹を露出したファッションで登場して度肝を抜き、その次にヒップホップユニットのCreepy Nutsが登場すると、3万人の観客でスタジアムが満席となるなど凄まじい人気を見せていました」

 サマソニと言えば、欧米の大物アーティストの出演で有名だ。過去を振り返ると、2008年はスタジアムのヘッドライナーがコールドプレイとザ・ヴァーヴ、室内ステージではセックス・ピストルズとファット・ボーイ・スリムが出演し、2009年のヘッドライナーはマイ・ケミカル・ロマンス、リンキン・パーク、ポップ・クイーンのビヨンセという豪華アーティストが務め、ファンを熱狂させた。さらに2010年にはジェイ・Zとスティーヴィー・ワンダーがヘッドライナーを務めるなど、洋楽の醍醐味でファンを酔わせた。

 しかし、当時から10年以上が経った今年のサマソニはさながら“アイドル祭り”のようだったという。

「象徴的だったのはZOZOマリンスタジアムに午後5時過ぎから登場したクリスティーナ・アギレラ。17年ぶりに来日したアメリカの伝説的歌姫なのですが、アリーナは3分の2ほど、スタンド席は残念ながら空席が目立ちました。続く英ロックバンドのブリング・ミー・ザ・ホライズンはやや観客が増えてはいましたが、それでも満席には程遠い状況でCreepy Nutsとは対照的でした。