【黒柳徹子インタビュー】求められることが大事。実力だけでなんてことありません

AI要約

女優の黒柳徹子さんの美しさの極意は、求められることに応えていく柔軟さと涼やかさ。焦らずに進んでやりたい仕事を追求し、後悔のない人生を歩むことが大切。新しいことを始めることで未来に希望を持ち続けることも重要だと語る。

沢村貞子さんの言葉から、「人間の大人としての魅力は、前向きさにある」と気づかされる。前向きな姿勢が美しさを生み出す一因であることを示唆。

黒柳徹子さんの人生や考え方から、自分を知り、求められる存在であり続けることが重要であることが伝わる。

【黒柳徹子インタビュー】求められることが大事。実力だけでなんてことありません

黒柳徹子さんの美しさの極意は、「求められることに応えていく」、とびきりの柔軟さと涼やかさだった。今、涼やかに生きるために話しておきたいこと。

30代、ずっと焦っていました

女優としていろんなチャンスに恵まれましたが、自分の芝居がうまいなんて一度も思ったことはありませんでした。20代の後半、過労で入院したときにお医者様に言われました。「進んでやりたいと思う仕事だけをしなさい」。この言葉を胸に、文学座でお芝居を学んだり、NHKから独立したり、ニューヨークに留学したり……。でも今は、やって後悔したことは一つもありません。

私の母がエッセイを書き始めたのは70歳過ぎ。デビュー作はヒットし、3年後にはNHKの朝ドラにもなりました。人生、何が起こるかわかりません(笑)。聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生は、「100歳まで生きたかったら、今日から新しいことを始めること」とおっしゃっていました。先生は95歳からゴルフを始めたそうです。

女優の沢村貞子さんが生前、50年ぶりに女子大の同窓会に出かけていらして、「人間、50年も経つと昔きれいだった人がみんなきれいじゃなくなってる! 今きれいな人は、仕事を続けている人か、夫を亡くして前向きに生きてる人のどっちかよ」って報告してくださったことがあります(笑)。そのとき、「大人のきれいは前向き次第」と気づきました。

「求められることが大事。実力だけで、なんてことありません」

女優・ユニセフ親善大使

東京・乃木坂生まれ。俳優、司会者、エッセイスト。東京音楽大学声楽科卒業後、NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。1976年にスタートした「徹子の部屋」の放送は1万2000回を超え、同一司会者によるトーク番組の最多放送でギネス世界記録を更新中。1981年に刊行された『窓ぎわのトットちゃん』は国内で800万部、世界で2500万部を超える空前のベストセラーに。昨年刊行された『続 窓ぎわのトットちゃん』も日本で50万部の、ベストセラーとなり、今年5月には中国語版も刊行された。1984年よりユニセフ親善大使となり、のべ39ヵ国を訪問。飢餓、戦争、病気などで苦しむ子どもたちを支える活動を続けている。

撮影/下村一喜 ヘア/松田コウイチ メイク/MAHIRO スタイリング/大野美智子 取材・文/菊地陽子

Edited by 新井 美穂子