「一生ついていきたい…」 初代『ガンダム』大人になった今こそ刺さる「上官たちの言葉」

AI要約

『機動戦士ガンダム』に登場する上司キャラクターから、ランバ・ラルとレビル将軍の名言を紹介。

ランバ・ラルは私怨を抑え、部下と愛する人のために戦う姿勢を見せる。

レビル将軍はジオン軍との戦いで責任を持つ姿勢を示し、古の武人のような言葉を残す。

「一生ついていきたい…」 初代『ガンダム』大人になった今こそ刺さる「上官たちの言葉」

 皆さんの職場には尊敬できる先輩や上司はいるだろうか。部下は上司を選べず、その逆に上司は部下を選べないのはよくある話。しかし、運良く良い上司にめぐり逢うことができたら、仕事へのモチベーションがあがり、思った以上に業績が伸びる……なんてこともあるはず。

 そして『機動戦士ガンダム』の劇中にも、組織におけるさまざまなポジションの人間が登場。そのなかには「理想の上司」ともいえるキャラクターもいた。

 そんな上司ポジションの人間が劇中で漏らしたセリフのなかから、大人になった今だからこそ刺さる言葉をピックアップして紹介しよう。

 まずは「ザクとは違うのだよ、ザクとは」の名ゼリフでおなじみのランバ・ラルから。グフを駆り、敵陣営でありながらアムロの精神面の成長を促すなど、大人の魅力を感じた人物である。

 ランバ・ラルは、ザビ家のライバルだったジオン・ズム・ダイクンの側近、ジンバ・ラルを父に持つ。そのためダイクン亡き後に権力を握ったザビ家から冷遇を受けていた。

 そんななか、直属の上官であるドズル・ザビから弟ガルマの仇討ちのため、ホワイトベース襲撃命令を受ける。複雑なラルの立場を知る内縁の妻のハモンは「今後の作戦、どういうおつもりで受けたのです?」と問いただす。

 それにラルは、「おまえの言う通り、今度の作戦はザビ家の個人的な恨みから出てはいる。しかしだ、この戦いで木馬を沈めて、ガルマ様の仇を討ってみろ、わしは二階級特進だ」と返した。

 さらにラルは「わしの出世は部下たちの生活の安定につながる」と言い放つ。部下や愛しい人の生活のために私怨や私情を抑え、戦いに赴こうという姿勢に心を打たれた場面だ。

 そしてランバ・ラルがこういう男だったからこそ、彼の死後にハモンや部下たちは無謀な復讐戦に臨んだのだろう。

 北アイルランドにあるベルファスト基地をホワイトベースが訪れ、修理と補給を受けることに。このときホワイトベース隊の面々は、地球連邦軍の総司令官であるレビル将軍と言葉を交わす。

「軍隊に入りたくない人はどうするんですか?」と質問したフラウ・ボゥに、レビル将軍は「軍を抜けたいというのなら一年間は刑務所に入ってもらう」と即答。成り行きで軍の機密を知ってしまった少年少女たちには、かなり酷な言葉にも聞こえた。

 しかし、実はその前にレビル将軍は、ホワイトベース隊について「本当は1週間の休暇をやりたいとこだがな」と事情を慮った態度をみせている。要するに、彼らに頼らざるを得ないくらいジオン軍の動きが活発化していたという事情があったのである。

 そんななか、ジオンのマッドアングラー隊がベルファスト基地を襲撃する。新型の水陸両用モビルスーツ「ゴッグ」と、アムロが乗るガンダムの戦いが始まるなか、レビル将軍は窓を開けて、彼らの戦いを見守った。

 危険だと部下が避難を呼びかけるが、レビル将軍は「いや、やられる時はどこにいてもやられるものだ」と拒否。さらに「全軍を指揮する者が弾の後ろで叫んでいては勝つ戦いも勝てんよ」と続けた。

 連邦の総司令官ながら、古の武人のような言葉を残したレビル将軍。少年、少女たちまで動員した、その責任者としての覚悟を見せつけられた気がしたシーンである。