御年90歳のマエストロ、ミシェル・プラッソン――奇跡の、そして最後の来日コンサート

AI要約

ミシェル・プラッソンの最後の来日コンサートが近づいている。

プログラムはラヴェルとフォーレの名曲で、フランス音楽を代表する内容。

フランス音楽の最後の巨匠が日本で奏でる旋律を体感できる“奇跡のコンサート”。

御年90歳のマエストロ、ミシェル・プラッソン――奇跡の、そして最後の来日コンサート

東京二期会が8月に開催する、フランス音楽界の至宝ミシェル・プラッソンの最後の来日コンサートがいよいよ近づいてきた。

1933年生まれ、90歳を迎えたフランス音楽界最高の指揮者のひとりであり、これまでにメス市歌劇場、トゥールーズ・キャピトル劇場、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団などで数多くのポストを務め、パリ・オペラ座はじめ世界の名だたる歌劇場やオーケストラに招聘されてきたミシェル・プラッソン。アルフレード・クラウス、ジェシー・ノーマン、ミレッラ・フレーニ、ロベルト・アラーニャ、ナタリー・デセイ、ジョゼ・ヴァン・ダムなど、錚々たる世界のスターから愛されてきた巨匠中の巨匠だ。東京二期会には2010年『ファウストの劫罰』、13年『ホフマン物語』、19年『エロディアード』にて登壇し、フランスオペラの真髄を余すところなく披露した。

「日本での経験が私の人生にとって非常に特別なもの」と語るマエストロが日本への最後の贈り物として演奏するのは、ラヴェルとフォーレ。まさにフランス音楽を代表するプログラムだ。

幕開けに披露する「マ・メール・ロワ」は、ラヴェルが童話をもとに作った5つの曲からなる組曲。もとはピアノ連弾用に作曲されたが、ラヴェル自身が管弦楽用に編曲し、繊細かつ豊かなオーケストレーションを堪能できる作品だ。

続く「ダフニスとクロエ」は、神話を題材にしたバレエ音楽で、ラヴェルの最高傑作とも評価される作品。今回は、人気が高くオーケストラの重要なレパートリーともなっている第2組曲をお届けする。

最後を飾るのはフォーレの「レクイエム」だ。モーツァルト、ヴェルディの作品とともに「三大レクイエム」のひとつに数えられるフォーレの代表作で、どこまでも美しく、温かく慈愛に満ちたこの曲は、このコンサートを締めくくるにふさわしい。

演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。プラッソンとは、上記の東京二期会オペラ公演にて常にコンビを組んでおり、今回も息の合った演奏に期待がかかる。また同公演にて、いずれも重要な役柄で出演してきたバリトン小森輝彦、そして今年7月『蝶々夫人』での好演が記憶に新しいソプラノ大村博美がソリストとして出演する。

フランス音楽界“最後の巨匠”の紡ぐ旋律を日本で、生で体感できるラスト・チャンスだ。“奇跡のコンサート”を目に、耳に焼き付けたい。

公演は8月13日(火) 19:00と15日(木) 14:00の2日間。東京オペラシティ コンサートホールにて。

<公演情報>

ミシェル・プラッソン日本ラストコンサート Au revoir!最愛のフランス音楽~フォーレ「レクイエム」とラヴェルの名曲

2024年8月13日(火)・15日(木) 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル