11歳前後の少年たちの踊りに胸が熱くなる! ミュージカル『ビリー・エリオット』に注目

AI要約

映画『リトル・ダンサー』をミュージカル化した『ビリー・エリオット』は、貧しい炭鉱の町でバレエダンサーを目指す少年・ビリーの物語。父親の反対を押し切り、夢に向かって突き進む姿に感動必至。

作曲を手がけたエルトン・ジョンの楽曲とバレエシーンが絶妙に融合し、感動と名曲の詰まった傑作。特に、怒りを爆発させる「Angry Dance」や幻想的な踊りは必見。

ビリー役のキャスティングは厳選され、最終的に4人のビリーが選ばれた。彼らは感情を込めた演技と情熱的な踊りで観客を魅了する。

11歳前後の少年たちの踊りに胸が熱くなる! ミュージカル『ビリー・エリオット』に注目

貧しい炭鉱の町で、炭鉱労働者の父と兄、祖母と暮らす少年・ビリーが偶然出合ったバレエに魅了され、バレエダンサーを目指す。2000年に公開され大ヒットした映画『リトル・ダンサー』を舞台化したミュージカル『ビリー・エリオット』。

夢に向かって突き進む少年・ビリーの姿に感動すること必至。

当初、父親は「バレエなんて軟弱」と強硬に反対するが、ビリーのバレエへの強い意志と、情熱あふれる踊りを見て心を動かされてゆく。という物語なのだけど、これがミュージカルとなれば、実際に11歳前後の少年がパッション全開で踊るわけで、もはやそれだけで胸を熱くさせられること間違いなしなのだ。

しかも本作、ミュージカルとなったことで楽曲の魅力が加わり、さらなる傑作へと昇華されているのがポイント。作曲を手がけたのは、あのエルトン・ジョン。シンガーソングライターとして知られているけれど、『ライオン・キング』などミュージカルの分野でも才能を存分に発揮している。耳に残るキャッチーさがありながら、情感たっぷりのドラマティックな名曲揃い。映画とはまた違う感動が味わえる傑作だ。

ボクシングの練習に行こうとしたビリーは、たまたまバレエのレッスンに遭遇。

作品の背景にあるのが、イギリスで実際にあった炭鉱不況。

バレエをやることを父親に反対されたビリーが、怒りの感情を爆発させて踊る「Angry Dance」は、劇中の名場面。

大人になったビリーと少年ビリーとが踊る幻想的で美しい場面も見応えあり。

ビリーの親友・マイケルは天真爛漫なキャラクター。ふたりの友情を感じる場面も。

2020年公演より (撮影:田中亜紀)

難関オーディションをくぐり抜けた今年のビリーはこの4人! 

左から浅田良舞 (りょうま) さん、石黒瑛土 (えいと) さん、井上宇一郎 (ういちろう) さん、春山嘉夢一 (かむい) さん。撮影:引地信彦

この大作の鍵となるのは、もちろん主人公のビリーの存在。それだけに、ビリー役のキャスティングはかなり慎重に進められた。海外からクリエイティブスタッフが来日し、1375名の応募者の中からまず11名が選出され、そこからレッスン形式で長期オーディションが行われた。難関をくぐり抜けた精鋭たちに役への想いを聞いた。

ひとつひとつの感情を演技でしっかり伝えたい。

石黒瑛土 (2012年9月生まれ) 。撮影:加藤春日

バレエのコンクールに出ていたときにオーディションのことを知ったんですが、舞台を観たらものすごくパワーをもらって、自分もビリーになれたらと思いました。僕は小さいときからお兄ちゃんと一緒にバレエのビデオを見たりバレエが大好きだったから、そこにすごく共感しました。お客様の前で踊りを見せたときに、会場の空気が変わっていくのが好きです。まだ歌は難しいですが、頑張って自分の限界に挑戦していきたいし、演技でひとつひとつの感情がしっかり伝えられるよう、最高のビリーを目指したいです。将来の目標はパリ・オペラ座バレエ団のプリンシパル! …言っちゃったからには絶対にならないとね。

バレエを始めたときからビリーになりたかったです。

春山嘉夢一 (2011年1月生まれ) 。撮影:加藤春日

小学校1年生でバレエを始めたんですが、そのときに観たビリーに感動して、自分も絶対になりたいと思いました。ビリーは、そのときの自分に重なる部分もあったし、憧れや夢、目標でもあって。夢を諦めないのは僕もビリーと同じ。幼稚園の頃、逆上がりができなくて家でずっと練習していたそうで、その頃から、できるまでやり続けるタイプです。今は稽古中ですが、この時間がずっと続いたらいいのにって思うくらい毎日が楽しいです。タップも、重心の置き方によって重い音が出たり、クリーンな音になったり、勉強になることばかり。僕の夢は、バレエ留学することですが、ビリーという役を通して、頑張れば夢が叶うという希望をお客様に伝えたいです。

毎回やるたびに新しい発見があるのが楽しい。

浅田良舞 (2012年5月生まれ) 。撮影:加藤春日

通っているバレエスクールにビリーになった人がこれまで2人いて、自分も3人目になってみたいと思ったのがオーディションを受けた理由です。役の感情で怒るのは難しいけれど、これまでの自分の怒った経験を思い出してちょっとずつビリーになっているところ。でも、ビリーとして踊っている時間はすごく楽しいです。もともと僕は大勢で踊る場面が好きなんですが、大人キャストの方たちと一緒に踊る場面は本当に楽しいです。物語の中でビリーが成長していくわけで、毎回ゼロに戻ってやるのは難しいけれど、やるたびに新しい発見があります。将来なりたいのはバレエダンサー。7歳下の弟もバレエをやっているので、いつか同じ舞台に立てたらと思っています。

感情があふれすぎてしまうときがあるんです。

井上宇一郎 (2010年7月生まれ) 。撮影:加藤春日

母にオーディションを勧められたときは、人前で歌ったりお芝居をするなんて恥ずかしくてできないと思いました。でも、参加するうちに自分の負けず嫌いな部分が出てきて、絶対に受かりたい気持ちに変わりました。今は、怒りながら踊る「Angry Dance」の場面がとくに好きです。こんなふうに感情を表現する方法があるんだなって。ただ、たまに感情があふれすぎて、タップをうまく踏めないことがあるので、感情とのいいバランスを保てたらと思います。大人キャストの人たちが踊る場面は迫力がすごいです。稽古場で見たときには鳥肌が立ちました。いま目指しているのは海外で活躍するダンサーですが、教えるのも好きなので、いつかは先生になりたいです。

Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』 オープニング公演7月27日 (土) ~8月1日 (木) 本公演8月2日 (金) ~10月26日 (土) 池袋・東京建物 Brillia HALL 脚本・歌詞/リー・ホール 演出/スティーヴン・ダルドリー 音楽/エルトン・ジョン S席1万5000円 A席1万2000円 B席9000円 (土・日・祝日は+500円) ホリプロチケットセンター TEL:03-3490-4949 (平日11:00~18:00) 大阪公演あり。

※『anan』2024年7月31日号より。取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

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