朝ドラ『虎に翼』、寅子の着物はなぜ「黄×赤」? キャラの色には意味がある

AI要約

4月から放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」は、日本初の女性弁護士をモデルにしたオリジナルストーリーで、女性の視聴者に共感を呼び起こす濃厚なドラマです。

主人公の猪爪寅子が不平等に立ち向かう姿やシスターフッドを通じて、時代背景と女性の葛藤を描き、色彩の意味も物語に深い影響を与えています。

特に登場人物たちがまとっている服の色には、各々のキャラクター性や感情表現が反映されており、花岡が贈る黄色いバラの花束にも深い意味が含まれているようです。

朝ドラ『虎に翼』、寅子の着物はなぜ「黄×赤」? キャラの色には意味がある

4月から放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」。日本初の女性弁護士の1人で、後に裁判官となった三淵嘉子(みぶちよしこ)さんをモデルにしたオリジナルストーリーで人気を集めています。見どころがたくさんある中でも、今回は、登場人物たちがまとっている服の色に着目。色とキャラクターの絶妙なマッチングや、ドラマに登場する色彩のパワーを日常で活用するヒントを、カラーセラピストの志村香織が解説します。

物語のはじまりは昭和初期。女性は女学校を卒業したらすぐに結婚、出産するのが当たり前だった時代、伊藤沙莉さん演じる主人公の猪爪寅子(いのつめともこ、通称トラコ)」は、不平等がまかり通る世の中の価値観に疑問を抱きます。そして、日本で初めて誕生した女性向けに法律を教える明律大学に進み、出会った仲間たちとともに法曹の世界を目指します。

戦前から戦後にかけての激動の時代、納得できないことにぶつかったとき、「はて?」という口癖とともに立ち止まり、自分なりの正解を見つけ出そうとする。そんなヒロイン寅子が様々な出来事を乗り越えながら成長していく姿をはじめ、「虎に翼」は見どころが盛りだくさん。特に女性の視聴者にとっては共感するところが多いのではないでしょうか。

昭和の女性たちが世の不条理に直面するさまに我がことのように怒りやいら立ちを感じ、母と娘、義姉(もともとは親友)、寅子と大学の同窓生たちなどのシスターフッド(女性同士の連帯)にホロリとさせられているのは、私だけではないはずです。

俳優たちの見事な演技や名セリフなど、注目のポイントは多々ありますが、カラーセラピストという立場上、やはり気になるのはドラマに登場する色です。

例えば、少し懐かしい5月中の放映で、司法科の高等試験(現在の司法試験)に合格した寅子に、寅子と恋仲にあった同窓生、花岡悟がお祝いに黄色いバラの花束を贈るシーン。バラの色が黄色だったのは、寅子がいつも黄色の着物をまとっていることから「寅子には黄色がよく似合う」という花岡の思いがあったようにも感じられますが、別の見方もできます。それは、花言葉という見方です。

バラの花言葉で有名なのは「愛」ですが、黄色いバラの花言葉を調べてみると「友情」のほか、「ジェラシー」「薄らぐ愛」といった意味もあります。花岡が寅子の才能と人間性に対して、好感を抱いていたのは明らか。一方で、プライドある彼の胸の内には、寅子への嫉妬にも似た感情もあり、無意識のうちに黄色いバラというかたちで表出したのかも……? なんて気もしてきます。