奈緒、20代最後の年どう生きる? 「自分の好きなところも見つけられるようになってきた」

AI要約

奈緒さんは社会問題や人間の生死を題材にした作品に数多く出演し、今回の映画『先生の白い嘘』では「男女の性の不条理」に挑戦した。

奈緒さんは作品に込められたメッセージを大切にし、作品を受け手に届けることを意識して演じる。

奈緒さんが演じる美鈴のように、誰かの存在や言葉が壁を越える力になる経験も持ち、現場での言葉が励みになることを実感している。

奈緒、20代最後の年どう生きる? 「自分の好きなところも見つけられるようになってきた」

近年、社会問題や人間の生死を題材にした作品に数多く出演してきた俳優の奈緒さん。主演を務めた7月5日(金)公開の映画『先生の白い嘘』では、「男女の性の不条理」というセンシティブなテーマに挑みました。30代を目前に控えたいま、自身に向ける目線の変化や、これからの生き方について伺いました。

――奈緒さんはこれまでも、厳しい現実や社会問題も含めたさまざまなテーマの作品を、次々と体当たりで演じられています。そういった作品に出演を決められる際や、演じるうえで大切にしているのはどんなことですか?

奈緒さん(以下、奈緒): 映画やドラマといった“エンターテインメント”は、言葉の響きとしては楽しさが感じられるものですが、作品が伝えることは、時代背景が反映されていたり、誰か一人に対してのメッセージが含まれていたりするなど、狭く深いものであっていいのではと思っています。

作品に込められたメッセージは、しっかり作り手の間で共有して、観てくださるみなさまに届けたい。でも、作品はあくまで、受け取ってもらって初めて完成するものでもあります。「どういう風に受け取ってもらえるか」という受け手への目線を忘れず、自分だけのものにならないように、という意識を持つようにしています。

――『先生の白い嘘』では、奈緒さん演じる高校教師・美鈴にとって、教え子・新妻の存在が、前に進む力になりました。奈緒さん自身も、何か壁を越える時に、誰かの存在や言葉が励みになった経験はありますか?

奈緒: 昨年、夫婦のセックスレスを描いたドラマ『あなたがしてくれなくても』で主人公のみち役を演じた時、夫役の永山瑛太さんからの言葉を、いまでも覚えています。撮影に入る前に「僕は絶対に、何があっても奈緒ちゃんの味方だから」って言ってくれたんです。センシティブな内容にも触れる作品でしたが、それで現場に入ることが怖くなくなりました。人生には、大きな出会いを通じて自分の考え方や価値観が大きく変わる瞬間があるだけでなく、日々、誰かの言葉で前に進めることもあるのだと実感しました。

――視聴者の方からの反響も、とても多かったのではないでしょうか。

奈緒: どんな風にみなさまの元に届くのだろう……と、現場のスタッフも含めて、私たち作り手みんなが緊張感を持って撮影を進めていました。そんななか、放送後に反響があり、ファンのみなさまから多くの声をいただきました。SNSのメッセージを読むと、共感や感謝の言葉もたくさんあったんです。毎話ごとにいただいた声を受けながら、作品とともに「前に進もう」と思えたのは、ドラマならではの体験だったと思います。