朝ドラ『虎に翼』56歳俳優の“妙な胡散臭さ”。スプーン1杯のジャムが示す本来の人間性を読み解く

AI要約

『虎に翼』で沢村一樹が演じる久藤頼安は胡散臭い魅力的な男性として描かれている。

加賀谷健が解説すると、沢村一樹は胡散臭いハンサム俳優として位置づけられる可能性がある。

朝ドラ『虎に翼』で久藤頼安の登場シーンから、彼の胡散臭い魅力がより強く感じられる。

朝ドラ『虎に翼』56歳俳優の“妙な胡散臭さ”。スプーン1杯のジャムが示す本来の人間性を読み解く

 単にチャラいだけなのか、胡散臭いのか……。でも魅力的ではある。『虎に翼』(NHK総合、午前8時放送)で沢村一樹が演じる久藤頼安は、そんな感じの人である。

 主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)のことを何度もアシストし、目をかけてくれる。この愛情深さ、どうも不思議でちょっとマジカルな雰囲気ではないだろうか?

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、“胡散臭ハンサム”沢村一樹を解説する。

 沢村一樹は何だか好きな俳優である。カッコいいなと思ったことしかない。だけど、あえてちょっと斜めから見つめると、この人はどうも胡散臭いなと思ってしまう。

 そう、沢村一樹とは、“胡散臭ハンサム”なのだ。現在56歳。このまま年を重ねたら、きっと草刈正雄や長谷川初範のように滋味深く胡散臭いハンサム俳優の系譜に順当に連なるんじゃないかしら。

 朝ドラ『虎に翼』に出演する沢村を見て、その系譜をより強く感じた。初登場は、第10週第46回。戦後、家族を養うため、職を得ようと司法省にやって来た主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)へのナイスアシストだった。

 寅子は特にアポを取っていなかった。人事課長になかなか取り次いでもらえないところへ、沢村扮する民放調査室主任・久藤頼安が颯爽とやって来る。「やぁ、待たせたね」とひと芝居打ってくれたのだ。

 寅子をひと目見て気に入った様子の久藤は、人事課長に紹介すると言ってくれる。気さくにエスコートまでしてくれようとする。極めつけが、「何てお呼びしようかな」と言いながら、咄嗟に「サディ」とニックネームをつけてしまうこと。

「ライアン」と英語風に呼ばれるこの男はいったい、何者なのかといぶかしがる寅子。頼安(よりやす)で「ライアン」だと後から説明してくれる。どうやら大名家出身で、「ライアン」と別に「殿様判事」というあだ名もあるらしい。うーむ、やっぱり胡散臭い!