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「車」から「人」中心へ、歩きたくなるまちづくり広がる…歩道拡幅や広場整備に国交省が補助
国土交通省が推進するウォーカブル区域が急増し、100余の自治体が参加している。
自治体は歩きやすい空間を増やすために、歩道の拡幅や広場の整備、緑化などを行っている。
具体的な事例として、姫路市や高松市が人を集めるための計画を実施している。
歩きやすい空間を増やす「ウォーカブル区域」を設ける自治体が3年前の3倍に急増し、100を超えた。国土交通省が推進する制度で、人口減少や高齢化が進む中、「車中心」から「人中心」へと転換して街のにぎわいを生み出す狙いがある。(京都総局 山本貴大)
国交省は2020年度、歩きたくなるまちづくりを目指す自治体を「ウォーカブル推進都市」と位置づけ、歩道の拡幅や広場の整備、緑化などの費用の半額を補助する制度を設けた。街中に人を集め、消費や投資の拡大、観光客の増加につなげたい考えだ。
同省によると、補助を受けるために必要な「ウォーカブル区域」を設定したのは、1年目の20年度は大阪市や京都市など21都府県の31市区町だったが、今年4月末時点では39都道府県の102市区町に拡大した。
同省街路交通施設課は「空洞化する中心市街地を活性化させるために必要だという認識が広がっているのではないか」としている。
兵庫県姫路市は20年3月、JR姫路駅から姫路城へと延びる大手前通り(約800メートル)の歩道を片側1・5メートル増やして16・1メートルに拡幅。21年に駅周辺を区域に設定し、22年には大手前通りにベンチや飲食スペースが設けられた
。
市によると、駅周辺10地点の1日の人の通行量は、コロナ禍で20年度は5万人を下回っていたが、23年度は6万人近くに増加。23年の駅前商業地の公示価格は、12年と比べて約1・9倍に上がった。担当者は「歩きやすい公共空間に魅力が生まれ、店舗やホテルの需要が増えて地価の上昇につながっているのだろう」と分析する。
まちづくりに関する国の別の事業を活用し、歩行者空間を広げようとする自治体もある。
香川県は、高松市のJR高松駅と北側のサンポート地区との間を走る4車線の市道の一部区間を遊歩道にする計画を立てている。この地区は25年3月に1万人を収容できる県立アリーナが開業するなど再開発が進んでおり、駅からの人の流れを生み出したい考えだ。