半径10~15メートルは死亡か重傷 手榴弾の威力に注意 最近は住宅街でも爆発事件

AI要約

手榴弾は高い殺傷力を持つ危険な武器で、訓練中に起こった事故や暴力団の抗争で使われる事件が増加している。

福岡県警なども手榴弾に関する注意喚起を行っており、身近での事故や事件を防ぐための対策が必要とされている。

暴力団の抗争や一般の住宅街でも被害が発生しており、不発弾による大きな事故が起きないようにするためにも注意が必要だ。

半径10~15メートルは死亡か重傷 手榴弾の威力に注意 最近は住宅街でも爆発事件

山梨県の陸上自衛隊北富士演習場で30日、訓練中に爆発した手榴弾の破片が男性隊員に当たり、隊員が死亡した。手榴弾は爆発時、半径10~15メートル範囲内にいる人に死亡か重傷を負わせるほどの高い殺傷力があるとされる。最近は住宅街でも暴力団の抗争で使われる事件が発生。戦時中の不発弾として見つかることもあり、注意が必要だ。

■飛び散る破片は高い殺傷力

手榴弾は安全ピンを抜いて投げると4~5秒後に爆発する。爆発力で対象を吹き飛ばすのではなく、高速で破片を飛ばすことで殺傷力を高める設計となっている。戦時中に多く使われ、現在も国内の戦地や訓練場の跡地で不発弾として見つかることもある。近年は暴力団の抗争で使用される事件も目立ち、暴力団関係者の多い自治体では、警察が注意を呼びかけている。

福岡県警では、「手榴弾に注意」とホームーページで注意喚起している。威力は、手りゅう弾から「半径10~15メートル以内は死亡または重傷」、「半径50メートル以内は破片により重傷」、「半径200メートル以内は飛散した破片が到達」と説明する。発見した場合は、「踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」「早急に離れる」「物陰などに隠れて身の安全を確保する」の原則を守り、「すぐに警察に通報してほしい」と呼び掛けている。

■暴力団の抗争で利用

こうした注意喚起をする背景には、身近で手榴弾に関連する事件が最近も起きていることがある。

4月18日には、岡山県倉敷市の住宅街で手榴弾の爆発により、女性が住むアパートのガラスが割れる事件が発生した。女性宅には特定抗争指定暴力団池田組の組員が出入りしていたとされ、暴力団抗争の可能性が高いとされる。昨年1月14日には、佐賀市中心部で指定暴力団浪川会幹部の自宅に手榴弾が投げ込まれ、爆発によりバルコニーなどが損壊した。

暴力団の抗争以外でも、手榴弾の被害が心配されるケースもある。令和元年5月30日には沖縄県宜野湾市で小学生が不発の手榴弾を発見し、自転車かごに入れて持ち帰るなど「あわや大惨事」という事案もあった。