地元企業が学生ブース訪れ「逆面接」…愛媛・新居浜で6月、高専生にPR

AI要約

学生が企業ブースを訪問するのではなく、企業側が学生ブースを訪れて自社の仕事内容や魅力を説明する「インターンシップ(就業体験)合同説明会」が、6月に愛媛県新居浜市内で開かれる。

大企業のような知名度がない企業側には学生に自社を直接PRできるメリットがあり、学生側も企業情報が得られる上、社会人とマンツーマンで対話する経験がキャリア教育になるという。

新居浜市の人事コンサルタント会社「ミライト」が企画する「リアル・スカウト」。

 学生が企業ブースを訪問するのではなく、企業側が学生ブースを訪れて自社の仕事内容や魅力を説明する「インターンシップ(就業体験)合同説明会」が、6月に愛媛県新居浜市内で開かれる。市内の中小企業と新居浜工業高等専門学校(新居浜高専)の学生が参加する。大企業のような知名度がない企業側には学生に自社を直接PRできるメリットがあり、学生側も企業情報が得られる上、社会人とマンツーマンで対話する経験がキャリア教育になるという。(岩倉誠)

 新居浜市の人事コンサルタント会社「ミライト」が企画する「リアル・スカウト」。

 同社社長の白川剛朗(たかあき)さん(50)は同高専卒業後、新居浜市内の鉄工会社に入社し、技術者として施工管理に携わった後、総務部で5年間、採用担当を務めた。

 そこで痛感したのは、有望な学生を知名度の高い大企業に取られてしまう中小企業の厳しい現状と、「自分の人間性や魅力をしっかりと見てほしい」という学生たちの願いだった。

 当時、新居浜高専の非常勤講師でもあった白川さんは、学生の「地元企業を知る機会がない」「技術系の求人しか来ない」という声を聞き、「地域の企業が一致団結し、『地域の若者を育てる』という意識で行動しないと、将来はない」と、中小企業の採用支援に特化した会社設立を決意。鉄工会社を退職し、2022年7月、ミライト社を起業した。

 「リアル・スカウト」は地元の企業と学生の相互理解を深めるのが目的で、今回は26年3月に卒業する本科4年生の希望者約20人と、新居浜市の中小企業約10社が参加する予定だ。

 学生は事前に「意気込み」「就職先選びで大切にしたいこと」など、6項目の自己紹介シートを記入する。参加企業はそれを読み込み、魅力を感じた学生を5人選ぶ。当日は会場で、学生の元を企業の担当者が訪れ、1人あたり30分間の制限時間内で、自社をPRし、客観的な視点で、学生に助言するなどの面談を行う。