「ユーチューブ収益は大した額じゃない」 つばさの党、組織未整備、方針巡り温度差も露呈

AI要約

東京15区の補欠選挙をめぐる選挙妨害事件で逮捕された「つばさの党」幹部の組織力不足が露呈している。

黒川容疑者ら3人が実質的な運営を行っており、党の基盤は整備されていなかった。

黒川容疑者は不動産や投資会社など収入源を持つ一方、大口支援者も存在するが、活動資金には苦慮していた。

衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で幹部が逮捕された政治団体「つばさの党」を巡っては、警視庁捜査2課が運動に加わっていたスタッフらも含めて組織の解明を進めている。ただ、関係者によれば逮捕された代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人が運営の大部分を担い、組織基盤は未整備だったという。3人の逮捕直後、支援者らは警視庁本部などに抗議を行ったが、党の運営や活動方針について温度差が生じるなど、組織力の低さがあらわになっている。

「党員と呼べるのは(逮捕された)3人ぐらい。あとは私と、そのほか、党員になりたいという人が何人か…」

黒川容疑者の内縁の妻で、党の広報を担当する埼玉県朝霞市議の外山麻貴氏(52)はこう話す。「党規約など、基盤をこれから固めていく段階だった」と悔しさもにじませた。

事件となった妨害行為については「やりすぎだった。共感を得られないやり方はやめてくれと何度も言ってきた」とも。他党に質問をぶつけていく方向性については「変えるつもりはない」と断言した。

黒川容疑者らは、活動の様子をユーチューブで公開して広告収入や、視聴者から「投げ銭」と呼ばれる寄付を得ていたが、容疑者本人は逮捕前、取材に「(ユーチューブだけでは)まかなえない」と説明。不動産会社や投資会社など複数を運営し、収入源としていると主張していた。

一方で、党の活動拠点に出入りする人物の中には、〝大口〟の支援者も。大手企業の創業家出身という男性で、黒川容疑者と共同で投資会社を立ち上げている。男性は、根本良輔容疑者が自宅とし、支援者らが寝泊まりする都内の住居を提供。「政策アドバイザー」として活動に関わっており、「ユーチューブの収益は大した額じゃない。カネのない党だよ」と話していた。