Next GIGAではICT活用を通じて子供たちの創造性を育んでほしい

AI要約

学校教育でICT活用を推進する日本教育工学協会(JAET)は、50回の節目となる全国大会のテーマとして子供たちの創造性を育むことを掲げる。

2024年10月に東京都港区立小中一貫教育校赤坂学園で開催する「全日本教育工学研究協議会全国大会」は、50回の節目を迎えます。セミナーは全国大会に向けたプレ大会の位置付けでした。

創造性は大人が押し付けるものではなく、子供たちの内面的なものを解き放つことで生まれます。2020年にGIGAスクール構想が始まった当時、当時の文部科学大臣が発したメッセージには、「創造性を育む教育ICT環境」をはじめとして、「創造性」がキーワードとして何度も登場しています。

Next GIGAではICT活用を通じて子供たちの創造性を育んでほしい

 学校教育でICT活用を推進する日本教育工学協会(JAET)は、50回の節目となる全国大会のテーマとして子供たちの創造性を育むことを掲げる。JAET常任理事で、和歌山大学教育学部 教職大学院 教授の豊田充崇氏に聞いた。

──2024年2月28日に「第三回教育の情報化実践セミナー2024in東京」を開催しました。

 2024年10月に東京都港区立小中一貫教育校赤坂学園で開催する「全日本教育工学研究協議会全国大会」は、50回の節目を迎えます。セミナーは全国大会に向けたプレ大会の位置付けでした。1人1台端末が整備された今、全国大会は「Next GIGA~創造性を育むICTを活用した新しい時代の教育を目指して~」をテーマに掲げています。

──学びにおける「創造性」が重要なキーワードになっています。

 創造性は大人が押し付けるものではなく、子供たちの内面的なものを解き放つことで生まれます。2020年にGIGAスクール構想が始まった当時、当時の文部科学大臣が発したメッセージには、「創造性を育む教育ICT環境」をはじめとして、「創造性」がキーワードとして何度も登場しています。

 コロナ禍では学びを止めないためにオンライン授業などに焦点が当たりました。GIGAスクール構想が第2段階に進もうとしている今、ICTを活用して個別最適で協働的な学びや創造性を育むという原点に立ち返るべきです。

──全国大会の見どころや期待する点などを教えてください。

 従来の一斉授業を脱して、ICT機器を活用して子供に学びを委ねる個別最適な学びや、自由進度学習など複線型授業は見どころの一つです。授業公開校の赤坂学園や麻布小学校、白金小学校、小中一貫教育校お台場学園港陽小学校・港陽中学校の各校は、こうした学びを意識して日々取り組んでいます。

 一方で、4校は情報モラルやICTスキルについてもきちんと指導されていて、子供に教えることと委ねることのバランスを取っています。教員も校務でクラウドを活用していて、研修を重ねることでICTに慣れ、着実に実践を蓄積しています。

 ICTの活用基盤づくりが終わり、効果的な事例も生まれています。児童・生徒がポスターやプレゼンのスライドなど従来の手法だけでなく、動画などさまざまな手段を駆使して目的の達成に取り組む様子が見られると期待しています。