【速報】大阪・清風高校でカン ニング後に自殺 第一回口頭弁論 で学校側は争う姿勢「威圧的な指 導せず」 遺族「カンニングは悪 い。だが、指導が適切だったのか 」

AI要約

私立清風高校の男子生徒がカンニングをして指導を受けた後、自殺した事件をめぐる裁判が始まった。両親は学校側に損害賠償を求めており、学校側は争う姿勢を見せている。

男子生徒はカンニング行為が発覚し、厳しい処分を受けた後に自殺。両親は指導の適切さを問い、学校側は適切な指導を行っていたと主張している。

男子生徒の死後、第三者委員会は指導の問題点を指摘したが、自殺の原因とは認定できないと結論づけた。裁判では安全配慮義務違反と指導が自殺の原因だったかが争われる。

 大阪市天王寺区にある有名進学校「私立清風高校」の男子生徒が試験でカンニングをして指導を受けた2日後に自殺したことをめぐり、男子生徒の両親が学校側に損害賠償を求めて起こした裁判が24日に始まり、学校側は争う姿勢を示しました。 

 午前10時から始まる第一回口頭弁論を前に、死亡した男子生徒の両親が大阪地裁に姿を見せました。

 両親は裁判を前に、読売テレビの取材に対し、「カンニングが悪いことは分かっているが、だからと言って人格を否定する言葉を用いた指導が適切なのか問いたい」と訴えました。

 これに対し、学校側は答弁書で、男子生徒への「叱責」について、「威圧的な言動はなされておらず、事実確認とやり直しのチャンスがあるので前向きに取り組みを促す指導を行っていた、指導の際に立ち会った教師から『卑怯者』であるとの言葉を言わせていたとの証言は得られていない。指導の際、多数の男性教師に囲まれていたこともなかったし、長時間にも及んでいない」と主張。

 

 その上で、学校側は、「指導などあたり、生徒や保護者から指導に対する不満等の申し出はなく、これまでに同様の指導を受けた生徒が自死等に至ることもなかった。男子生徒の自死を予測することは困難であった以上、学校側には安全配慮義務違反はない」としています。

■突然の悲劇 一度の過ちをきっかけに「卑怯者」と言われたうえ数々の重い処分

 訴状などによりますと、2021年12月、、当時高校2年生だった男子生徒は期末試験でカンニング行為が発覚。母親が立ち会いのもとで指導を受けた際、教師から「カンニングがなぜ悪いか」と尋ねられ、男子生徒が「ずるいことをした」と回答すると、教師が「それにとどまらない卑怯なことであり、卑怯者がやることだ」と言われたといいます。

 さらに、男子生徒には以下の処分が渡されました。

・全科目0点

・家庭謹慎8日(この間、友人等との連絡禁止)

・写経80巻、心得書き写し

・反省文と反省日誌の作成

・学校推薦は行わない

 その2日後の朝、男子生徒は建物から飛び降り自ら命を絶ちました。男子生徒の遺書には「死ぬという恐怖よりも、このまま周りから(学校内から)卑怯者と思われながら生きていく方が怖くなってきました」と記されていたということです。

 男子生徒の死亡後、学校側が設置した第三者委員会は「『カンニングは卑怯者がすることだ』という表現はカンニングの禁止を超えた、一つの行為で全人格を否定するような強い決めつけを感じさせる」などと指導の問題点を指摘する一方、「指導が自殺に至った原因とは認定できない」と結論づけています。

 これに対し両親は、清風高校を運営する「学校法人清風学園」に対し、安全配慮義務に違反したほか指導が自殺の原因だったとして、1億円あまりの損害賠償を求めています。

 第一回口頭弁論を前に、男子生徒の父親は「カンニングが悪いことだと私たちも分かっていますし、指導が必要だというのは分かっているのですが、そのカンニング後の指導が厳しすぎないのかというところがきちんと調査されてるのか、理解ができないのです」と話しました。