「警察官がシートベルトしていないと見間違えた可能性」、福岡地裁が免許の更新処分を取り消す判決

AI要約

福岡県みやま市の男性が、シートベルトを外して車を運転したことで処分を受けたが、県庁による取り締まりの主張が疑われ、処分が取り消された。

男性は無事故・無違反な「ゴールド免許」を持っており、ベルト装着の状況が誤解された可能性が指摘された。

県警は判決内容を検討し、適切に対処することをコメントした。

 シートベルトを外して車を運転したとして、無事故・無違反が5年以上の「ゴールド免許」から一般的な免許への更新処分を受けた福岡県みやま市の男性(65)が、違反はなかったとして、県に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、福岡地裁であった。林史高裁判長は「警察官が(ベルトを)装着していないと見間違えた可能性がある」として、処分を取り消した。

 判決によると、男性は2020年5月、同市山川町原町の交差点で車を運転した際、ベルトを装着していなかったとして摘発された。

 県側は、取り締まりをした柳川署員がパトカーですれ違う際、男性が慌てて装着する様子を見たと主張。しかし、男性が着ていたシャツとベルトは灰色の同系色で署員が見間違えた可能性があり、目撃した際の状況の説明についても変遷があって不自然なことから、地裁は違反行為があったとは認められないと判断した。

 県警は「判決内容を精査し、適切に対処する。控訴するかは今後検討する」とコメントした。