飯塚事件の再審、6月5日に可否 福岡地裁、弁護団らに通知

AI要約

福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定した久間三千年元死刑囚の再審請求審で、福岡地裁は裁判の再審を認めるかどうかの決定を6月5日に出す予定。

久間元死刑囚は2人の女児を誘拐して殺害したとして起訴され、死刑判決が確定、再審請求が棄却された後に妻が再び再審請求を行った。

弁護側は新たな証拠として、事件当時の証言と警察への説明の違いを取り上げている。

飯塚事件の再審、6月5日に可否 福岡地裁、弁護団らに通知

 福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求審で、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)は20日、裁判のやり直し(再審)を認めるかどうかの決定を6月5日に出すと検察側、弁護側の双方に通知した。死刑執行後に再審開始決定が出た例はなく、地裁の判断が注目される。

 確定判決などによると、久間元死刑囚は92年2月、飯塚市で小学1年の女児2人を誘拐して殺害し、同県甘木市(現・朝倉市)の山中に遺棄したとして起訴された。一貫して無罪を主張したが、福岡地裁は99年9月に死刑を言い渡し、06年に最高裁で確定。再審請求を準備していた08年に死刑が執行された。

 死刑執行後の09年に妻が再審請求したが、14年に福岡地裁が棄却。最高裁も21年4月に特別抗告を棄却した。妻は21年7月に第2次再審請求した。

 弁護側は第2次再審請求審で、事件発生時に「被害女児2人を通学路付近で見た」と供述していたとされる当時20代の女性が「2人を見たのは事件当日ではなく、別の日だった。当時も警察にそう説明したが聞き入れてもらえなかった」と述べた調書を新証拠として提出していた。【志村一也】