石破茂氏の小泉進次郎氏&高市早苗氏評は…決戦投票なら対決可能性も/自民党総裁選インタビュー

AI要約

石破茂元幹事長が自民党総裁選に出馬し、最後の戦いと位置づけている。彼は早期の解散と国民への判断材料提供を主張し、中国で起きた日本人男児刺傷事件に対して真摯な対応を求めている。

石破氏は選挙での手応えを語り、国際情勢や災害が変化したことに触れ、日本の未来を守ることを掲げている。中国との関係や解散総選挙の戦略にも言及している。

さらに、他の候補や党内問題にもコメントがあり、気になる立憲民主党代表選や議員調査についても述べている。

石破茂氏の小泉進次郎氏&高市早苗氏評は…決戦投票なら対決可能性も/自民党総裁選インタビュー

 自民党総裁選(27日投開票)に出馬している石破茂元幹事長(67)が、スポーツ各紙のインタビューに応じた。「最後の戦い」と退路を断ち、5度目の総裁選に臨んでいる。石破氏は、小泉進次郎元環境相(43)が打ち出し、争点の1つになっている解散時期について、早期の解散と国民への十分な判断材料提供は「二律背反ではない」と主張。また、日本人男児が刺されて亡くなる痛ましい事件が起きた中国に対し、もし自身が総理総裁となれば「単なる偶発的事件と片づけられてはたまらん。真摯(しんし)な対応を強く求める」と訴えた。【中山知子】

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 「手応えは答えないことにしています。自分の選挙でも同じ」。世論調査で常に上位を走る石破氏は、選挙戦の手応えを問われこう答えた。20日まで党主催の演説会で全国8カ所を回った。「訴えが心に響いていたらいいなあと。けして慢心することなく、やって参りたい」と口にした。

 総裁選は過去4度敗れ、前回21年は進次郎氏とともに河野太郎デジタル相(61)を支援。「あの時は正直、もう出るのはやめようと思った」そうだが、その後の3年でロシアのウクライナ侵攻など国際情勢は激変し、日本では災害が多発。外交安保政策に通じ、防災省創設の必要性を説く政治家として「みなさまに(持論を)ご判断をいただくことを、やらねばやらない」と、思い至った。

 選挙戦で掲げるテーマは「日本の未来を守り抜く。」で、その1つが「日本を守る」。9月18日、中国で登校中の日本人男児が刺されて亡くなる、痛ましい事件が起きた。

 石破氏は、過去に中国で同様の事例があったことに触れ「単なる偶発的事件と片づけられてはたまらん。中国当局として、再発防止のためこのような手段を取ったということが我々に伝わっておらず、極めて遺憾」と述べた。新総裁は就任後、中国との向き合い方が問われる局面が必ず訪れる。「なぜこのようなことが起こったのか。真摯(しんし)な対応というものを強く求めたい」と訴えた。

 総裁になった場合の解散戦略として、進次郎氏が言及する「できるだけ早期の解散総選挙」については「国民の方々に、ご判断いただけるだけの材料を提供する。それが我々、政権党の責務」とした上で「なるべく早いうちに信を問うことと、ご判断いただける材料を提供するということは、けして二律背反ではない」と述べた。

 その進次郎氏について「非常に人を引きつける魅力を持った方」と評しつつ、答弁力に関心が集まっていることには「ちょっと注目され過ぎで、かわいそうなところもある」。同様に上位を争う高市早苗経済安保相(63)については「主義主張がシャープ。関西弁独特の柔らかさもあり、大勢の国民の方々の共感を呼んでいるのではないかと思っています」と評した。現在の情勢では、決選投票となった場合、石破氏が2人のどちらかと戦う可能性もある。

 一方、9月23日に選出される立憲民主党代表選で気になる候補を問われると、4人の候補のうちまず最初に野田佳彦元首相(67)に触れた。「同じ年齢で、同じ防衛の仕事もやってきた。血液型はB型で街頭演説が好き。キャンディーズでは3人の中でミキちゃんがいちばん好き、みたいな共通点がある」と述べ「演説を聞いていても、やっぱりこの人はすごいと、率直に尊敬できる友人と思っています」と述べた。

 自民党は、裏金や、旧統一教会との関係が指摘された議員への調査の不十分さが指摘されたままだが、石破氏は再調査について、慎重な物言いだった。「主権者たる国民からさらなる真相解明を求める声が出てくれば、疑念を払拭するための調査が必要になる場面というものがあるんだろうと思っている」。先日、朝日新聞が安倍晋三元首相と教会側の面会写真を報じた問題については「一部の勢力によって政治が左右されることは、日本政治にとっていいことではない」とした上で「総裁選が終わってどなたかが新総裁になって、国民の間にそういう(再調査を求める)声がわき起こってきたとすれば、それに応える責務は自民党としてある。今の時点で断定的なことを申し上げるだけの材料は私は持ちません」と述べた。

 慶大の同級生で、1983年(昭58)に結婚した佳子夫人や娘が石破氏の眉を整えるなど、「見られ方」に心を砕いているとの週刊誌報道も。「見た目は基本的には変わらないのですが、『見え方』はどうなんだろうねと、妻にはご指摘される方が結構、いらしてですね…」と明かした。「妻は、私のいいところも悪いところもよく知っている。本当に感謝してもし尽くせないと日々、思っているところです」。以前より少し優しげになった目元を細めながら、口にした。