「中目黒駅高架下とは違う」学芸大学駅前のリニューアル。地域住民が関わる新しいまちづくりとは

AI要約

学芸大学駅は人気の駅であり、再開発が進行中である。

学芸大学高架下リニューアルプロジェクトでは地域住民も参加し、新たな街づくりが進行中である。

高架下には様々な施設や商店がオープンし、将来的にはさらなる進化が期待される。

「中目黒駅高架下とは違う」学芸大学駅前のリニューアル。地域住民が関わる新しいまちづくりとは

渋谷と横浜間を結ぶ東急東横線が乗り入れる学芸大学駅。

渋谷駅までは急行で2駅ということもあり、1日平均約7万人が利用する人気の駅だ。駅東西には商店街が広がり、ユニークな個人商店から使い勝手のいいチェーン店まで幅広く揃う。そんな学芸大学駅が、今さらなる進化を遂げつつある。

きっかけは学芸大学駅高架下のリニューアルだ。北は五本木交差点から南は碑文谷公園までの約1キロメートルのエリアが2026年までに再開発される。

2021年には「みんなの学大高架下」というプロジェクトが発足し、学芸大学(以下・学大)に住む地域住民を巻き込んでさまざまな議論や実験的なイベントが開催されてきた。

「再開発」と一括りにしても失敗や成功など、さまざまな事例や声がある中で、「学大らしさ」を失わないように取り持つ人物がいる。地域住民と開発元である東急とを結ぶ役割を果たしている、路地裏文化会館〈C/NE(シーネ)〉の館長・上田太一さんだ。

なぜ、学大高架下プロジェクトに上田さんは携わることとなったか。その裏にあったのは2駅お隣・中目黒駅の再開発プロジェクトでの反省、そして住民の声だった。

東急が手掛ける高架下リニューアルは、耐震補強工事の一環としてスタートした。

コンセプトは「南北1キロメートルのまちの縁側」で、高架下を一つの大きな縁側に見立て、仕事をするスペース、友人とご飯を食べるところ、家族の遊び場などさまざまな要素が混じり合う場所を目指している。

高架下を7つに分け、南から順に、未来共創エリア「GAKUDAI COLLECTIV」、カルチャー&フードエリア「GAKUDAI PARK STREET」、学大市場、駅、学大横丁、「simplace Gakugei-daigaku by NewWork」、そして「未定エリア」となっている。

2024年9月現在、既にオープンしているのが、学大市場、学大横丁、そしてカルチャー&フードエリア「GAKUDAI PARK STREET」だ。

この「GAKUDAI PARK STREET」には、学大の人気飲食店が手掛けるレストラン〈洋食ムチュ〉や、〈C/NE〉と駅前書店〈恭文堂〉が連携した新刊書店〈COUNTER BOOKS〉、住民待望の〈ダイソー〉など、個性的かつ便利な13店舗が入居する。

将来的にオープンする予定の未来共創エリア「GAKUDAI COLLECTIV」では、碑文谷公園に隣接している駐車場エリアに、1区画5坪~10坪の小さな商店が12棟オープン。2階部分に作られるコワーキングスペースからは緑いっぱいの碑文谷公園が見渡せるようになる。

「ここは、スモールビジネスにチャレンジする個人のための場所にしたい」と上田さん。それゆえ、他のエリアに比べて家賃が低く設定されているのも特徴だ。