息子抱いたママが蹴りでクマ撃退 元自衛官だが「倒し方学んでない」

AI要約

元自衛官の斉藤歩叶さんが、生後1カ月の長男を抱いてツキノワグマ3頭と遭遇し、1頭に襲われるも蹴り飛ばして逃げる一部始終。

斉藤さんはただ急いで買い物に出かけており、料理に使う調味料を買いにいった途中だった。

岩手県内でのクマとの接触事件が続いており、注意が必要とされている。

息子抱いたママが蹴りでクマ撃退 元自衛官だが「倒し方学んでない」

 岩手県大槌町で11日午後9時ごろ、元自衛官、斉藤歩叶さん(21)が生後1カ月の長男を抱いて歩いていたところ、ツキノワグマ3頭に遭遇した。

 半年前に夫の出身地の大槌町に移り住んだばかり。クマを見たのは生まれて初めてだった。

 すると、うち1頭が突進してきた。

 元自衛官でも、クマの倒し方は学んでいない。どうしたらいいかわからない。

 「この子を守らなくちゃ」

 とっさに右足で思い切りクマを蹴りあげた。硬い毛皮に触れたような感触があった。腹あたりに当たったようだ。

 クマが少し遠ざかり、道が開けた。そのすきに、体重4.5キロの長男を抱きかかえて逃げた。クマはしばらく追ってきたが、振り返るといなくなっていた。

 料理に使う調味料がなく、近くのドラッグストアにいく途中だった。「熊よけの鈴を買います」

 岩手県自然保護課によると、岩手県内では今年、8月末までに1人が死亡、7人が負傷している。今回はたまたま攻撃し、逃げて助かったが、同課は、クマに出合ったら興奮させずに走って逃げず、目を離さず静かにゆっくり後退することを勧めている。(東野真和)