【狛江強盗事件】バールの殴打音が地下室に響き渡り…ルフィ強盗団のあまりにも残虐すぎる「女性への拷問」

AI要約

元大学生の中西一晟が強盗団による広域強盗事件の実行役として逮捕され、女性を拷問して死亡させる過程が明らかになった。

中西は永田と野村らと共に女性宅へ向かい、女性をバンドで縛り物色を始めるが現金が見つからず、女性に拷問の開始が決定される。

女性はバールで殴られ続け、その後死亡。中西は強盗計画には殴打が含まれていなかったが、止めることができなかった。

【狛江強盗事件】バールの殴打音が地下室に響き渡り…ルフィ強盗団のあまりにも残虐すぎる「女性への拷問」

ルフィ強盗団による広域強盗事件の実行役として、東京都狛江市で住人女性(当時90歳)を暴行して死亡させたとして強盗致死罪などに問われていた元大学生の中西一晟(21歳)。裁判では、強盗団が想定外の事態により女性を拷問するに至る生々しい経緯が明らかになった。前編記事『「ババアは大声出すのでみぞおち狙って下さい」…狛江強盗事件で幹部が命じたヤバすぎる「犯行指示」』より続く。

事件当日、中西は同居人の加藤臣吾(25歳)とともに、新宿駅を経由し、小田急線で登戸駅へと向かった。駅から歩いてすぐのコインパーキングで待っていると、レンタカー店から「調達」してきたプリウスを運転する体格の良い男が現れた。実行犯役の中心的な役割を担った永田陸人(22歳)だ。テレグラム上では「カルパス」と名乗っていた。

永田の腕まくりする袖からは、筋骨隆々な腕の入れ墨がちらりと見えた。可愛いお菓子の名前とは反面、強面な印象の永田に、中西はたじろいだ。

「お前、タタキ(強盗)は初めてか。だったら俺の言うことを聞け」

永田はそう言い放ち、車に乗るよう指示した。加藤に以前言われた言葉が頭をよぎった。

「カルくん(永田)は現場に入ると人格が変わるから気をつけろ」

中西は、加藤と永田、そして年配の野村広之(53歳)とともに狛江市の女性宅へと向かった。

「ピンポーン」―。

宅配業者のユニフォームを着た中西と野村が女性宅のチャイムを鳴らした。2~3分経ったが、誰も出ない。もしや留守なのでは。少しホッとしていると、高齢女性がベランダから顔を出した。

「どなたですか?」

中西は「荷物です」と叫ぶ。しかし、女性は耳が遠くて聞こえないようだ。

「下に行くので待ってください」

それから、また3~4分経つと女性が玄関を開けて現れた。女性は段ボールの宛名を見ると首を振った。

「私宛ての荷物じゃないと受け取れないです」

そう言って、家の中に戻ろうとすると女性を中西が眺めていると、突然、野村が女性を抱えて玄関から押し入った。後ろから永田と加藤が駆けつけてくる。突入が開始した。

女性を結束バンドで縛り、家の中の物色を始めた。しかし、ここで大きな誤算が生まれる。現金や金庫が見つからないのだ。女性に聞いても「あなたたちはだあれ?」と要領を得ない。他の家族は外出しており、金のありかが分かりそうにない。

焦った永田や通話状態でつながっている指示役は、女性への「拷問」の開始を決断する。女性を地下室へと連れて行き、野村が長さ約75cmのバールで女性を殴り始めた。女性の耳元では、永田がドスをきかせた声で尋問する。

中西は、地下室に響き渡るほどのバールでの殴打音を聞き、女性に目を向ける。

「まさかそのような行動を取るとは思わなかった」

中西が聞いていた強盗計画にはバールでの殴打は明示されていなかった。ただ、永田と野村を止めることはできなかった。

「どうすれば止められたか今も分かっていない」

「バールで自分も殴られて殺されるかと思った」

弁護側の質問に中西は振り返った。女性は10~15回ほど殴られ続け、その後、外傷性ショックにより死亡した。結局、金は見つからず、中西は報酬も一切貰うことはできなかった。