自民選管、高市氏を「リーフレット」送付で注意 「ルールに従って」

AI要約

自民党総裁選挙管理委員会が高市早苗経済安全保障担当相に口頭注意を行った。高市氏は政策に関するリーフレットを送付した際、党のルールに違反したためである。

逢沢委員長は選挙前に政策パンフレットの郵送を禁止していたにも関わらず、高市氏がリーフレットを送付していた。この行為に対して党内から批判の声が上がっていた。

選管は政治とカネに対する厳しい目を持つ中、告示前から政策パンフの郵送などを禁止する新ルールを決定。しかし、高市氏は選挙準備を始める前にリーフレットの発送作業に入っており、それが禁止決定後と重なったためルール違反となった。

自民選管、高市氏を「リーフレット」送付で注意 「ルールに従って」

 自民党総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長は11日、総裁選(12日告示、27日投開票)に出馬予定の高市早苗経済安全保障担当相(63)が政策に関する「リーフレット」を党員らに送付したとして、高市氏に口頭で注意した。党は「カネのかからない総裁選」に向け、政策パンフレットの郵送などを告示前かどうかに関わらず禁止していた。リーフレットに「総裁選」の文言はなかったものの、他陣営から「ルール違反では?」との批判が上がっていた。

 逢沢氏が11日の選管会合後、記者団に明らかにした。逢沢氏は高市氏に「今後は選管で決めたルールに従って選挙に臨んでもらいたい」と注意したという。

 高市氏側は口頭注意に先立ち弁明書を選管に提出。それによると8月末にはリーフレットの発送作業に入っており、選管が禁止決定を経て党内に周知した9月4日に配送を止めようとしたものの、間に合わなかったという。

 逢沢氏は、禁止を受けて発送を取りやめた陣営もあった▽党本部などに苦情が多数寄せられた――ことなどを踏まえ、口頭注意としたと説明した。

 選管は3日、派閥の裏金事件を機に「政治とカネ」に厳しい目が向けられていることを踏まえ、政策パンフの郵送などを告示前から禁止する新ルールを決めた。ただし突然決めたわけではなく、8月20日には逢沢氏が選管会合後の記者会見で「事前の期間についても、金をかけない準備に極力努力をいただくという強いメッセージを発出することを決定した」「大量に郵送物を出す等については、今の党が置かれている状況からしていかがなものか」と禁止を予告していた。

 毎日新聞がある党員から入手した問題のリーフレット入りの封書(写し)によると、送信元は「自民党奈良県第二選挙区支部 支部長 高市早苗」で、「リーフレット在中」と記されていた。「ゆうメール」の表記もあった。

 リーフレット(同)はA3サイズの両面2枚で「早苗代議士の国政報告レポート」と題されていた。この党員のもとに届いたのは高市氏が出馬表明の記者会見をした9日だったという。

 リーフレットには総裁選での高市氏のスローガン「日本列島を、強く」が記され、安全保障政策や省庁再編、経済成長戦略など出馬会見で掲げた政策と同様の内容が掲載されていた。

 総裁選で上川陽子外相(71)を支援する牧原秀樹衆院議員は10日、「決められたルールに違反するのではないかという声は(自陣営の)会議でも出た。選挙は公平公正なルールで行うのが原則。もしルールを破ったのであればきちんと選管で判断してほしい」と指摘。他の陣営からも「手段を選ばない人がリーダーになってはダメだ」などと批判の声が上がっていた。

 高市氏は11日、党本部で記者団に「全く規則には抵触をしていない」と反発。「7月末に私の手を離れ、8月中にはもう全部配送も終わっている。配送先も全部党員というわけではない。(リーフレットで)総裁選には一言も触れていない」と述べ、ルール違反はないとの認識を示した。【竹内望、遠藤修平】