工藤会「頂上作戦」10年 北九州市長「イメージ変える努力をする」

AI要約

北九州市に拠点を置く特定危険指定暴力団工藤会の壊滅を目指す県警の「頂上作戦」が始まってから11日で10年を迎える。武内和久市長は、市の治安が劇的に改善し、暴力団からの不当要求もゼロになったことを振り返った。

市の刑法犯の認知件数が85%減少し、暴力団への対抗の取り組みが成果を上げている。しかし、市民の安全への関心は依然として高く、更なる努力が必要だと語った。

工藤会本部事務所跡地で進められている「希望のまちプロジェクト」についても触れ、暴力の象徴が支え合いの象徴に変わる取り組みを賞賛した。

工藤会「頂上作戦」10年 北九州市長「イメージ変える努力をする」

 北九州市に拠点を置く特定危険指定暴力団工藤会の壊滅を目指す県警の「頂上作戦」着手から11日で10年となるのを前に、武内和久市長は10日に記者会見し「暴力団に屈しない強い思いで暴力に立ち向かってきた、勇気の10年だった」と振り返った。

 武内市長は、市の刑法犯の認知件数が2002年の4万389件から23年は6044件と85%減少したと指摘。また、市のアンケートで、暴力団から金品などの不当要求を受けたと答えた企業の割合は、ピークだった03年度の33・9%から23年度は初めてゼロになったことを紹介し、「北九州市の治安情勢は劇的に改善した」と強調した。

 一方で「まだまだ北九州は危ないのでは、という声も聞く。都市イメージをさらに変えていく努力をする」と訴えた。

 また、小倉北区神岳の工藤会本部事務所跡地でNPO法人「抱(ほう)樸(ぼく)」(八幡東区)が進める「希望のまちプロジェクト」について「暴力の象徴が支え合いの象徴に変わるシンボリックな事業だ」と述べた。【山下智恵】