富士山“閉鎖” 今年なぜ事故2倍?ミスター富士山語る「山の異変」
富士山の登山道が10日午後、閉鎖されました。今年の死亡事故は去年の2倍です。
遭難が多発しており、悪天候や雷雨が登山者に影響を与えています。
ミスター富士山こと實川欣伸さんは、今年の富士山に異変を感じており、雷雨の被害を経験しています。
富士山の登山道が10日午後、閉鎖されました。
今年の死亡事故は去年の2倍です。
ミスター富士山と呼ばれる登山家は、「いつもの山と違っていた」と話します。
10日午後、入山ゲートが閉められた山梨側の富士吉田ルート。
富士山は、10日で登りおさめとなりました。
登山者
「シーズンも きょうまでじゃないですか。どうにかして休みがつくれたので、なんとか来られたって感じですね」
登山者
「みなさん ガガガッと行かれると思うんですけど、私は自分のペースで1歩前 1歩前という感じで」
今シーズンの登山者数は、およそ18万人。一方で…
遭難が多発…
今シーズン、静岡側は6人が死亡。山梨側では3人が亡くなり、合わせて9人。去年の2倍以上です。
2230回以上登頂した「ミスター富士山」こと實川欣伸さんは、今年、山の異変を感じていました。
富士山2230回以上登頂 實川欣伸さん(81)
「きょう登れば(今年の登頂は)7回目です」
Q.登れなかった時もあった?
「今年は6回くらい登っていない。天候が悪かったですからね、今までなかった」
何度も途中下山を余儀なくされた原因が、「ゲリラ雷雨」です。
この雷雨が、事故が増えた要因ではないかと推察しています。
雷の観測を行う気象会社によりますと、富士山がまたがる静岡県の先月の落雷数は、およそ1万2000回で、平年のおよそ1.6倍にも及んでいました。
なかでもミスター富士山が最も恐怖を感じたのが、8月23日のゲリラ雷雨です。
山小屋から、降りしきる雨を撮影していると…
目の前で落雷。持っていたスマホが飛ばされました。
富士山2230回以上登頂 實川欣伸さん(81)
「これほどひどいのは、雨もすごかったけど、雷がすごい」
「ものすごい閃光でグワッと光って目がくらみましたね、目がくらみましたね 。雷がね、10回以上落ちた」
こうした悪天候の際は、要請があっても、救助に向かえないこともあるといいます。
登山道にはゲリラ雷雨の爪痕が残ります。
富士山2230回以上登頂 實川欣伸さん(81)
「登山道が掘れていますよ。ゲリラ雷雨が降れば登山道がズルズルになりますから」