県職員が飲んだ牛乳パックの高さ、男体山に届かず 栃木の挑戦

AI要約

県の「とちぎ☆夏ミルク」キャンペーンで、県職員が自宅で飲んだ牛乳パックの高さで男体山登頂を目指すチャレンジが挫折し、消費拡大の効果は限定的だった。

県民牛乳消費拡大月間の取り組みがあり、牛乳の消費量が伸び悩む8月と12月に焦点を当てた。職員の参加型チャレンジは初めてで、結果が不調だった。

地元の酪農業者は県産牛乳の消費を促進するための試みを評価しており、価格や品質面で競争力を高める必要があると話している。

県職員が飲んだ牛乳パックの高さ、男体山に届かず 栃木の挑戦

 生産量全国2位の牛乳(生乳)の消費拡大を目指した県の「とちぎ☆夏ミルク」キャンペーンで、県職員が8月に自宅で飲んだ県産牛乳の紙パックの高さで男体山(2486メートル)登頂を目指すチャレンジは、2日までの暫定集計で698・72メートルにとどまり、3合目(746メートル)到達も厳しい見通しとなった。県畜産振興課は「最終結果はまだ集計中だが、結果は真摯(しんし)に受け止めるしかない」と落胆を隠さず「幅広い部署の職員から応援いただき、栃木産牛乳に着目してもらう一定の効果はあった。次の県民牛乳消費拡大月間の12月に向けて新たな挑戦を考えたい」と話した。

 学校給食がなく牛乳の消費量が落ちる8月と12月を独自の「県民牛乳消費拡大月間」と定めた取り組みの一環で、県職員の参加型チャレンジは今回が初の試み。「パック・トゥ・ザ・マウンテン」と題し、1リットル牛乳パック(高さ約25センチ)1万本を要する計算だった。飲み終えた牛乳パックの現物を同課に持参してカウントするため、参加対象は本庁勤務の職員のみで「1世帯あたり1リットルパック7本の消費で達成する目算でしたが、予想よりも伸び悩んだ。強制はできないので仕方ない」(同課)。消費量は食の好みや家族構成、天候にも左右されるとした上で、同課は「最終的には店頭で北海道産や他の産地の商品と価格や品質でシビアに比較される。選ばれる牛乳を目指さなくては」と誓っていた。

 県酪農業協同組合(本所・宇都宮市)は「生産者としては地元産の新鮮な牛乳を地元の人に飲んでほしい。県のアイデアや行動は成功失敗にかかわらずありがたいこと」と話した。【藤田祐子】