気象専門家も驚く台風10号 「これほど遅い台風は見たことがない」「離れた地域で大雨被害」

AI要約

台風10号は異例のゆっくりとした進行速度で進み、上陸前後にも大きな影響を及ぼしている。

特に雨雲が離れた地域にも広がり、大雨被害が広範囲に及んでいる。

東海地方や関東地方ではインナーバンドと呼ばれる活発な雨雲が接近し、さらなる被害が懸念されている。

気象専門家も驚く台風10号 「これほど遅い台風は見たことがない」「離れた地域で大雨被害」

九州に29日に上陸し、日本列島を東に進んでいる台風10号の特徴について、岐阜大学応用気象研究センター長の吉野純教授に聞きました。

Q.今回の台風10号はこれまでと比べて何が違う?

いろんな台風を見てきましたけれど、本当にゆっくりノロノロ台風だと。上陸前もゆっくりしていて、上陸後も自転車並みのスピードで動いているということで、これほど遅い台風というのはちょっと見たことがないですね。

Q.影響も長時間で幅広い?

もう1つの特徴として、台風から遠く離れた場所、東海地方や関東地方でも広範囲に大雨、特に雨の被害が大きくなっているというところが特徴かなと思います。

レーダーの画像を見ると、台風から離れた緑色のエリア、「アウターバンド」と呼ばれますが台風と太平洋高気圧の間で雲が出来ている。これによって、各地で離れた場所でも被害が発生しているということになるかと思います。

Q.赤く囲っているピンクで囲っているエリアがこれから東海地方に近づいてくる?

赤色の場所が台風の中の本体の雲ということです。これは東海地方にこれから接近する。これまでは台風の外側の雲だったが、今度は中の雲がかかってくるということで、これからが本番ということになるわけです。

赤色の場所は「インナーバンド」と呼ばれまして、活発な雨雲です。これが東海地方に接近して局地的に強い雨をもたらす可能性があり、中小河川の氾濫、また土砂災害も気をつけていただきたい。場合によっては、これが線状降水帯になる可能性があり、気を付けていただきたいと思います。

Q.台風は通常ですと「台風のマーク」のところにまとまった雲が多い。しかし今回は少し離れた所からでも雨雲があるから影響が長引いているということなんでしょうか。

台風はもともと同心円状の雲で、全体的に中心を取り巻くように雲があるわけですね。そこから離れた場所にも、今回の場合はアウターバンドという雲が発生していたということになります。それが断続的に離れた地域にも入り込んできたということで影響が長引いていると考えていいと思います。