【台風10号・片平さん解説】速度は遅いままで雨量も多い 熱帯低気圧になっても「雨の危険」変わらず 警戒緩めないで

AI要約

台風の進路予想と速度の遅さについて述べられています。進路が南寄りで四国や近畿地方に影響を及ぼす可能性が高い点や、台風が熱帯低気圧に変わる見通しについて言及しています。

台風の遅さの理由として、夏の高気圧や偏西風の影響が挙げられており、進路が定まらない状況が続いていることが説明されています。

台風が熱帯低気圧に変わった場合も引き続き注意が必要であり、風の強さは警戒するポイントであることが述べられています。台風が離れた地域にも雨雲が広がっており、雨に対する危険性が強調されています。

【台風10号・片平さん解説】速度は遅いままで雨量も多い 熱帯低気圧になっても「雨の危険」変わらず 警戒緩めないで

片平敦 気象予報士: 台風の今後の進路を見ていきます。 相変わらずこの後も 台風は速度が遅いです。まずこの後、今夜にかけて、台風は少し南寄りに進路を取るくらいなんですね。珍しい進路だと思います。 四国方面に進んでいて、再び上陸する可能性が高まっています。

その後、31日(土)そして1日(日)にかけてゆっくりと進んで、1日に近畿地方の近くに、ようやく進んできます。 速度が上がらない状況で、1日の朝までに、台風は、熱帯低気圧に姿を変えてくる見通しです。

片平敦 気象予報士: とにかく速度が遅いということで、なぜこんなに遅いの?と思っている方が多いかと思います。 理由は、台風は自力で動くことができず、周りの風に流されるというところがポイントです。 夏の高気圧のヘリを回って、台風が進むということもあります。 これまでは、夏の高気圧が割と張り出していたので、このへりに沿うように進んでいたんですが、高気圧が弱まってしまうというタイミングで、高気圧が離れてしまうと台風を流す風が弱まってしまいます。

片平敦 気象予報士: 秋口になると、台風が日本の近くで、風が強まり、速度は速くなるということがあります。偏西風という強い風に乗るんですけども、まだこの時期は、偏西風はずいぶん北の方で離れています。 この偏西風も、高気圧も離れているということで、うろうろ、ノロノロと速度が遅い。しかも進路が定まらないという状況が続いています。

片平敦 気象予報士: そして、もう1つ気をつけていただきたいのが、台風が1日には、熱帯低気圧に変わる予想になっています。台風ではなくなったら大丈夫なのかなと思ってしまいがちですが、決してそうではないということを知っていただきたいと思います。 台風と熱帯低気圧の違いは、風の強さが風速17.2メートル以上で台風と呼びます。 それ以下は熱帯低気圧というだけです。 雨雲をつれてきているという点に関しては変わらない。

この基準を見ていただくと、雨という言葉が出てこないので、雨の強い・弱いというのは、台風であるか、そうでないかに関係ありません。 暴風域もなくなって、風はこれまでの当初の予想よりもだんだん弱くなってきたと思うんですが、雨については、今までの予想と変わらず、非常に危険だと思っていただきたいです。 現在の雨雲の様子は、台風の渦巻きが台風から少し離れている地域、徳島県のあたりや、もっと離れた関東地方にも発達した雨雲があります。 台風の周りは、時計の針と反対回りに風が吹いていますので、自分のいる場所よりも、台風が西側にあると、ずっと南から湿った風が吹いてくるので、この状況が長引いてしまっています。