クララ・ブランさん、期間限定ジュエリー店開設、美濃焼活用 名古屋
フランス人インフルエンサーのクララ・ブランさんがプロデュースするジュエリーブランド「アトリエルージュ」の期間限定ショップが名古屋市にオープン。
クララさんは日本の文化に魅了されており、美濃焼の伝統技法を取り入れた陶器製のアクセサリーが特徴。
美濃焼職人らの手によって制作されたアクセサリーは、日常にアートを取り入れる新しい楽しみを提供している。
日本在住のフランス人で、人気インフルエンサーでもあるクララ・ブランさん（29）がプロデュースするジュエリーブランド「アトリエルージュ」の期間限定ショップが、名古屋市中村区名駅のタカシマヤゲートタワーモールにオープンした。美濃焼の伝統技法を取り入れた陶器製のアクセサリーが特徴で27日まで開設される。
パリ出身のクララさんは日本の文化にあこがれ、大学生時代、交換留学生として来日。大学院卒業後はパリのルイヴィトンで働いていたが、日本のことが忘れられず、2019年から東京の広告代理店で勤務し始めた。
流ちょうな日本語を駆使し、20年から日本でのSNS（ネット交流サービス）活動をスタート。自身の考えや恋愛トークなど、飾らない人柄が人気を呼び、総フォロワー数は90万人を超える。モデルなど活動の幅を広げ、自身のジュエリーブランドも立ち上げ、インターネット上で販売している。
ゴッホやモネらのジャポニズム（日本趣味）の絵画作品が好きなクララさん。その世界観をアクセサリーで表現しようと、ピアスやネックレスなどの一部に陶器を使用している。
美濃焼の特徴は、好みに合わせて自由な形ができ、釉薬（ゆうやく）の組み合わせによる、さまざまな色彩を作ることができる。クララさんも「美濃焼はデザイン通りに表現できることが魅力です」と語る。
期間限定ショップは初日の24日と翌25日にはクララさんが来店し、買い物客らと交流した。名古屋市の着物講師、松島小百合さん（33）は「アクセサリーを通じ、日常にアートを取り入れている気分が味わえる」と話していた。
◇美濃焼職人も「うれしい」
陶器製アクセサリーの制作を担当したのは岐阜県多治見市のタイル製造会社「鈴研陶業」の美濃焼職人ら女性4人。その一人、田代友美さん（46）は「私たちの作ったものを求める人がたくさんいると思うと、気分が上がります」と笑顔を見せる。
クララさんから依頼されたデザインの中には制作が難しいデザインもあったが、職人らで知恵を出し合い、試行錯誤をしながら乗り越えてきた。こうした経験を積んだことから「表現の幅が広がった」という。
田代さんはインフルエンサーとして活躍するクララさんについて「インスタなどでアクセサリーを実際に身に付けて情報発信してくれる姿が見られ、うれしい」と語る。
クララさんも田代さんら職人を「大好きな女性たち」と表現。制作の背景を知ることで商品を長く使ってほしいとの思いから、年に一度は鈴研陶業を訪れ、制作過程や職人らの情熱をSNSで情報発信している。【荒木映美】
