京都国際の優勝に韓国中が歓喜、「韓国語の校歌」に大騒ぎしない日本の野球ファンに対し驚嘆の声も

AI要約

韓国系民族学校出身の京都国際高校が夏の甲子園大会を制覇し、韓国中が感動している。

京都国際の優勝に対し、韓国のメディアや政界から祝福の声が上がっており、大統領も直々に激励メッセージを発信している。

大統領室は京都国際に関する報道資料を配布し、韓日教育交流の象徴として注目されている。

■ 韓国中が感動

 韓国系民族学校をルーツにもつ京都国際高校が夏の甲子園大会を制覇した。このニュースに韓国中が沸いた。

 まず京都国際が優勝を決めた瞬間、韓国のほとんどのメディアが速報を流し、ネット上にはゲームセット後に甲子園球場に韓国語の校歌が流れるシーンの動画がすぐアップされ、「涙が出る」といったコメントが次々と書き込まれた。

 政界も反応した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領や趙泰烈(チョ・テヨル)外交部長官をはじめとして、与野党を問わず、大勢の政治家が祝賀メッセージを出した。

 それだけではない。京都国際の優勝が決まった直後、尹錫悦大統領室は「京都国際高校(夏の甲子園優勝)参考資料」という4枚の報道資料を記者団に配布したほどだ。

 同資料には、京都国際の過去の甲子園での試合結果とともに、京都国際と野球部の現状についての詳しい説明が載っている。また韓国政府(教育部)による支援状況や京都国際野球部出身の日韓プロ選手を紹介するほど手の込んだ資料になっている。

 特に京都国際の歴史について触れた部分では、「廃校の危機もあったが、韓国政府、在日韓国人と一部の先覚者的な日本人の助けで現在まで運営されており、未来の韓日両国間の教育交流・協力の基盤になりうる事例」と強調している。

 ともすれば野党とその支持者から「親日政権」との猛批判を受けている大統領室にとって、「韓国系」の歴史を持つ京都国際による甲子園大会優勝は、日韓友好の象徴としてアピールする、願ってもない好機となっているようだ。

■ 「野球フリーク」尹大統領直々の激励メッセージ

 とりわけ普段から野球マニアとして有名な尹大統領は、2日連続でSNSに京都国際に向けた応援メッセージを残した。

 22日、京都国際の決勝進出が確定したときは、「ユニホームがすり減るほど渾身の力を尽くしてプレーしてきた選手の皆さんの闘志と情熱に大きな拍手を送る。精一杯応援する」と激励のメッセージを送り、1983年に一橋大学の客員教授だった父親に連れられて甲子園で野球観戦した経験も付け加えた。

 優勝が決まった23日午後には「奇跡のような快挙」とし、「野球を通じて韓日両国がもっと親しくなってほしい」というメッセージを残した。

 「東海を渡りし 大和の地は 偉大な祖先 古の夢の場所……

 韓国語の校歌が甲子園の決勝戦の球場に勢いよく響き渡りました。京都国際高校の甲子園優勝をおめでとうございます。劣悪な環境で成し遂げた奇跡のような快挙は、在日韓国人に誇りと勇気を与えてくれました。野球を通じて韓日両国がもっと仲良くなれたらと思います。やっぱり野球は偉大ですね。多くの感動を生み出しますから」