自民総裁選、出馬表明時期巡り思惑交錯 「知名度向上」「埋没回避」

AI要約

自民党総裁選に向けた「ポスト岸田」候補たちの動向が加速している。出馬表明が相次ぎ、知名度やメディア露出を重視した戦略が展開されている。

小林氏をはじめとする候補たちは知名度を上げるために積極的にマスメディアに姿を見せ、失言リスクにも注意を払っている。一方で、官房長官を務める林氏は台風対応を優先し、正式表明時期を再検討している。

石破氏や河野氏、小泉氏、高市氏など、知名度の高い候補たちも順次出馬を表明する予定。茂木氏も出馬の可能性が高まっており、各候補は推薦人の確保などに向けて動きを加速させている。

自民総裁選、出馬表明時期巡り思惑交錯 「知名度向上」「埋没回避」

自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に向けた「ポスト岸田」候補たちの動きが加速している。すでに出馬表明した小林鷹之前経済安全保障担当相(49)を皮切りに、月内に6人が正式に名乗りを上げる可能性がある。埋没を避けるため表明時期をずらす動きもあり、各候補の思惑が交錯している。

「知名度ゼロからの出発だ。とにかく一人でも多くの方に自分の存在や考え方を知ってもらえるように動いていきたい」

先陣を切って今月19日に出馬を正式表明した小林氏は23日、国会内で記者団にこう語った。

小林氏は知名度不足が課題だ。真っ先に名乗りを上げた背景には「メディアの注目を集める」(若手)という計算も働いており、テレビ出演などを重ねている。

露出の増加は失言のリスクも伴うだけに注意が必要だ。台風対応で正式表明時期の再検討に入った林芳正官房長官(63)を推す中堅は、「(官房長官として連日)記者会見をこなしており心配はない」と自信をのぞかせた。

知名度の高い候補の正式表明も相次ぐ。

石破茂元幹事長(67)は24日に地元・鳥取で、河野太郎デジタル相(61)は26日に東京都内で表明を予定。また、小泉進次郎元環境相(43)は30日に出馬会見を開き、高市早苗経済安保担当相(63)は月内に表明する方向だ。

また、茂木敏充幹事長(68)は23日、出馬の有無に関して国会内で記者団に「近々、決断する。決断するのに十分な条件は整っている」と述べた。当初は9月上旬までに判断する構えだったが、早まる可能性がある。

この他の候補たちも参戦に必要な推薦人の確保などに向けて動きを本格化させている。出馬の目途がついた場合は埋没を回避すべく、慎重に表明の機会を探ることになりそうだ。(今仲信博)