【独自】川遊びで体調不良 高校生語る“水の異変”「下痢と熱が」…69人が訴え 専門家“寄生虫や細菌が原因の可能性”指摘

AI要約

熊本県天草市の人気レジャースポット、「轟の滝」で体調不良が相次いでおり、少なくとも69人が症状を訴えている。

川遊びをした高校生が発熱、下痢、嘔吐の症状を訴え、水の異変も浮上している。

水質が悪化した可能性が指摘されており、病原性の微生物や病原菌が原因である可能性が考えられている。

【独自】川遊びで体調不良 高校生語る“水の異変”「下痢と熱が」…69人が訴え 専門家“寄生虫や細菌が原因の可能性”指摘

熊本県天草市の人気レジャースポット、「轟の滝」で行楽客が体調不良に襲われる事態が相次いでいます。

13日に、周辺で川遊びをしていた高校生7人全員が、16日に下痢や嘔吐の症状で医療機関を受診。その後、同様の症状を訴える人は増え続け、その数は少なくとも69人にのぼっています。

「めざまし8」は、実際に体調不良になってしまった人を独自取材、見えてきたのは“水の異変”でした。

川遊び後に発熱した高校生:

滝から飛び降りたりするのが一番面白いので、それで遊んでいましたね。最初、腹痛で悪寒がしてから熱上がってきて、最高39℃くらいまで出ました。自分は吐くまでなかったんですけど、下痢とか…下痢と熱がすごかったです。きつかったです。

――その日は人が多かった?

2~30人いましたね。先輩が別の日に行って嘔吐・下痢になったって言っていました。弟と、一緒にいたはとこが嘔吐下痢になりました。

9日から4日間にわたり「轟の滝」で川遊びをしていたという高校生。翌日から高熱に加えて、下痢の症状が4日ほど続いたといいます。

体調不良に陥った人に共通しているのは、“川遊びをした”という点。当時の様子を聞くと、ある“異変”があったといいます。

――川に入った際に違和感などは?

川遊び後に発熱した高校生:

最近雨降ってないので、水がぬるかったり、少なかったりっていうのはありましたね。

天草市では、梅雨明け以降降水量が著しく低下。8月18日までほとんど雨が降っておらず、最高気温35℃以上の猛暑日が続いていました。

普段は3本の滝が流れている「轟の滝」も、12日の映像では滝の数が1本まで減っているのがわかります。

川の水位低下、そして水温の上昇…、熊本県の水質に詳しい、熊本大学の川越保徳教授は、水量が減ったことで、滝つぼにたまった水が流れず、暑さで病原性の微生物が増えてしまった可能性があるといいます。

熊本大学 川越保徳教授:

熊本は雨少ないんですよね、今。天草の方もおそらく、しばらく雨降ってないんじゃないかなと。滝つぼみたいなところですよね、水の量が減っていて、本来ならもっと流動、要するに流れ、やっぱり淀むとダメなんですよ。たまるような状態になっていると、もうそこで、どんどんとバクテリアなどが増えていくと。

――化学物質などが流出した可能性は?

例えば、手に入れられやすいもの、農薬類とかあるじゃないですか、毒物で言うと。

ああいうものをこんなところにまいたら、おそらく臭いなどですぐ分かる可能性がありますので、考えにくい。

さらに、水環境問題に詳しい別の専門家が指摘したのは、野生動物のフンなどに入っている病原菌が川に流れ込み、滝に溜まった可能性です。

水環境問題に詳しい 吉村和就氏:

野生動物から出たですね。やはり病原性の病原菌ですね。(轟の滝は)結構山間部があって、谷間になっているんですね。ですから、周りから全部集まってきた雨、あるいは、水の流れが全部「轟の滝」に入っているという。

実際に、山に囲まれている滝の周辺にはイノシシなどの野生動物が頻繁に出没するといいます。取材中にも、イノシシを避ける電柵があちらこちらに見られました。

また、感染症の専門家は、明らかに食中毒の症状で、なんらかの病原体を口などから摂取した可能性が高いといいます。

東邦大学 小林寅喆教授:

明らかな食中毒症状ですので、そうするとやはり経口的に病原体が体内に入ってくる経口感染と捉えてよろしいかと思います。O157に限定されるものではなく、下痢を起こすような大腸菌、もしくは、その他の細菌ということも考えられます。

熊本県は「川の水が原因による感染症も疑われる」として、水に入らないように呼びかけています。