自民・茂木敏充幹事長、総裁選出馬模索で露出強化 候補者乱立で埋没の危機

AI要約

自民党の次期総裁選への出馬を模索する茂木敏充幹事長が露出を強めており、10人前後の乱戦が様相を呈している。茂木派の実力者が立候補意欲を表明し、親しい間柄の麻生太郎副総裁は他候補支援に回る可能性がある。茂木氏は情勢を見極めた上で出馬の有無を検討している。

茂木氏はメディア露出を増やし、インターネット番組で個人的なエピソードを披露。次期総裁選でのリーダー像が求められる中、知名度が不足している点に課題を抱えている。

強みは幹部経験であり、茂木氏は主要閣僚を務めた実績がある。しかし茂木派内で他候補が出る可能性や支持が割れるリスクもあるため、課題を乗り越えなければならない。

自民・茂木敏充幹事長、総裁選出馬模索で露出強化 候補者乱立で埋没の危機

自民党の次期総裁選への出馬を模索する茂木敏充幹事長が露出を強めている。10人前後の乱戦の様相を呈しており、埋没することへの危機感も見え隠れする。解散を決めた茂木派(平成研究会)の実力者が立候補に意欲を表明。親しい間柄の麻生太郎副総裁は他候補を支援する流れだ。茂木氏はこうした情勢を見極めた上で、出馬の有無を判断する構えだ。

茂木氏は21日、水戸市で開かれた派閥パーティー収入不記載事件を受けた「政治刷新車座対話」に出席。「(不出馬を決めた岸田文雄首相の)重い決断をしっかり受け止めて党の再生を図っていかなければいけない」と訴えた。

■メディアへの露出を増やす

茨城は茂木氏が支持拡大を図る上で重要な地だ。平成研究会の領袖(りょうしゅう)を務めた額賀福志郎衆院議長や多くの茂木派議員を国会に送り込んでいるためだ。この日は茂木氏を支える同県選出の梶山弘志幹事長代行が同行し、党茨城県連のメンバーらと交流を深めた。

最近の茂木氏はメディアでの露出が増えた。インターネット番組では「朝の会議は苦手」「小学校4年まで田舎の分校に通っていた」などと親しみやすさをアピールしている。

不記載事件を受け、党内では次期総裁選で「選挙の顔」となるリーダーを求める声が根強い。知名度が高い石破茂元幹事長や小泉進次郎元環境相ら他の総裁候補との差をいかに埋めるかが重要になる。

■「能力ナンバーワン」も知名度不足

茂木氏にとっての強みは実績だ。茂木氏は、茂木派の源流の田中派を率いた田中角栄元首相が「首相の条件」として示した自民幹事長など党三役や蔵相(財務相)や外相などの主要閣僚の経験を積んでいる。周辺は「能力だけを見ればナンバーワンだ」と断言する。

しかし、懸念材料は知名度不足だけではない。 次期総裁選には茂木派の加藤勝信元官房長官も出馬を模索しており、同派の支持が割れる可能性がある。また、良好な関係を築いてきた麻生氏も麻生派の河野太郎デジタル相の支持に傾いた。「能力」だけではカバーできない課題を克服できるかが注目される。(永井大輔)