王位戦彩った唐津焼、ファンが注目 作者「将棋始めた長男も喜んでいる」

AI要約

藤井聡太王位と渡辺明九段の対局で、唐津焼の器に盛られたおやつが注目を集める

唐津市からの依頼により、12窯元がオリジナルの器を提供し、藤井王位と渡辺九段が選んだおやつを楽しむ

唐津焼の魅力が注目され、窯元も新たな可能性を感じている

王位戦彩った唐津焼、ファンが注目 作者「将棋始めた長男も喜んでいる」

「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」7番勝負第4局 (8月19、20日 佐賀県唐津市の洋々閣)

藤井聡太王位vs渡辺明九段

 本対局のおやつは、地元の伝統工芸品「唐津焼」の器に盛られて提供された。地元銘菓に彩りを添える唐津焼も将棋ファンの注目を集めているようで、選ばれた窯元も喜んでいる。

 唐津焼は陶器らしい土のぬくもりが特徴で、絵付け文様や釉薬(ゆうやく)、器の形によって多彩な表情を見せる。対局に合わせ、唐津市から依頼された市内12窯元が、おやつに合うオリジナルの器などを提供した。

 藤井聡太王位が口にした「伊藤けえらん」は、菅ノ谷窯の陶板の上に並んだ。窯は昨年7月の記録的大雨による土砂災害で一時使えなくなったが、今年1月頃に復旧。窯で最初に作った陶板が今回選ばれ、作者の舛田剛さん(47)は「藤井さんに選んでもらえてびっくり。将棋を始めた小学2年の長男も喜んでいる」と声を弾ませた。

 渡辺明九段が選んだ「唐津マカロン」は、小杉窯が虹の松原をイメージして焼き上げた色鮮やかな皿に盛り付けられ、唐津城マスコット「唐ワンくん」の陶製人形も添えられた。

 同窯の小杉隆治さん(47)によると、対局2日目の午前中、将棋ファンと見られる4人がレンタカーで窯元を訪れた。小杉さんは「唐津焼が違う角度で注目を集めている。使って良し、飾って良しの魅力を発信していきたい」と思いを新たにしていた。

 (竹中謙輔)