「自分の体じゃないみたい」子宮けいがん手前で手術…不安抱え過ごした5年間

AI要約

有為さんは29歳の時に子宮けいがん検査で異常が見つかり、切除手術に至るまでの経過を語る。

HPVワクチンの重要性や子宮けいがんの進行過程について解説。

不安を抱えた5年間の検査や異常の経過を明かす。

「自分の体じゃないみたい」子宮けいがん手前で手術…不安抱え過ごした5年間

子宮けいがん一歩手前の「高度異形成」と診断を受けた有為(うい)さん(仮名)に、異常が見つかってから切除手術に至るまでの話をききました。不安を抱えて過ごした期間は5年間。検診やHPVワクチンについて思うことは?

報道局ジェンダー班 庭野めぐみ解説委員

「病変が見つかったのはいつごろのことなんでしょうか」

有為さん

「2018年の、私が29歳のときでした。自治体から届く子宮けいがん検診の受診券を使って2年に1度検査をしてたんですけども、その結果が悪く、29歳のときに見つかったというかたちです」

庭野解説委員

「厚生労働省から、20歳以上の女性に対して2年に1度は子宮けいがん検診を受けることが推奨されていまして、各市区町村から無料で受診できるチケットが送られてきます。検査の内容は、内診台に乗って子宮の入り口あたりの細胞を少しこそげ取って、専門機関で調べます」

有為さん

「検査の2、3週間後。いつもならペラペラの『異常なし』という結果だけ入った封筒なのに、今回は分厚い封筒が届いていたので、何か嫌な予感がしたんですね。開けてみると、詳しい検査が必要と書いてあって、がん検診センターに行ってさらに検査を受けたら、軽度の異形成が見つかりました」

庭野解説委員

「子宮けいがんというのは、子宮の入り口の部分にできるがんでして、性交渉などで感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で引き起こされます。このウイルスはありふれたウイルスで、性交渉をしたことがある人なら男女問わず8割ぐらいが一生に一度は感染するといわれるんですね」

庭野解説委員

「感染した女性のうち大体1割ぐらいが子宮けいがんになるといわれています。それも、いきなり子宮けいがんになるわけじゃなくて、ちょっと異常を見せる『軽度異形成』という段階があって、もっと異常が進むと『高度異形成』に。さらに進行するとがんになるということで、感染からがんになるまでは10年ぐらいかかるといわれています。異形成ができても自然に治る場合も多いそうなんです」

有為さん

「私も『自然に治るかもしれない』と医師から説明を受けたんですね。なのでその後、半年に1回くらい検診を受けて様子を見ることになりました。半年のタイミングというのが夏と冬だったんですけど、季節が変わるたびに憂鬱になっていって、『明日検査だな』とか『進行してなきゃいいな』とか、不安もありました」