ひったくり犯VSボディービルダー バイクに引きずられても諦めず…鍛え抜いた体で取り押さえる“決定的瞬間” 

AI要約

ひったくり犯を捕まえたボディービルダーの勇姿。バイクに引きずられる中、容赦なく犯人に立ち向かう。

ボディービルダーの筋力が活かされ、犯人を倒す決定的瞬間。怪我をしながらも、バイクを制止するために奮闘。

逮捕された石沢容疑者は、他にもひったくり事件を犯していた可能性が浮上。警察は余罪の追及と容疑者の特定に向けて捜査を進めている。

ひったくり犯VSボディービルダー バイクに引きずられても諦めず…鍛え抜いた体で取り押さえる“決定的瞬間” 

防犯カメラは、ひったくり犯を捕まえる決定的瞬間を捉えていた。

歩道を走ってきたバイク。よく見ると男性が引きずられている。バイクが倒れると、男性が運転していた男に飛びかかった。

強盗致傷の容疑で現行犯逮捕されたのは、愛知・蒲郡市の自称・作業員、石沢博容疑者、50歳。8月12日、名古屋市で女性のハンドバッグをひったくり、女性の夫をバイクで引きずるなどしてケガをさせたとみられている。

「左右にバイクを振って、制止をしようとした」と語るのは、逃げるひったくり犯のバイクに飛びついた西本祐也さん(33)。その体を見ると、太い腕に、たくましい太もも……実は西本さんはパーソナルジムを経営するボディービルダーだった。

あの日いったい何が起きたのか。Mr.サンデーは事件直前の映像を入手した。

8月12日午後7時半過ぎ、西本さんは7歳の息子と、妻は3歳の娘と手をつなぎ、飲食店に向かっていた。その数分後、後ろから迫ってきたのは、バイクに乗った全身黒ずくめの男。

パーソナルジム「CARO LEON GYM」代表・西本祐也さん​:

(妻の)バッグを取って、そのまま一直線に息子の方にバイクを走らせて逃げてきた。とっさに息子を逃がして、そこから自分は犯人のバイクの荷台に飛びかかってつかんだという形です。

自分がグッと引き寄せたんで、一瞬は止まったんですけれども、逆手で荷台をグッと持った感じです。

一歩間違えれば危険な行為だが、順天堂大学スポーツ健康科学部の谷本道哉教授は、「(西本さんの)引く力はすごく強いと思いますね。逆三角形でしょ。背中の大きな筋肉、広背筋なんかを使ってグッと引けると。大きな背中の筋肉を使って強く引けるというのは、やっぱりボディービルダー固有なので」と説明する。

大会で優勝経験もあるという西本さん。とっさに引く力を発揮できたのは、背中の筋力のたまものだった。

だが、西本さんが飛びつくと、バイクはフルスロットルで前進。西本さんは歩道を引きずられてしまった。

西本さん​:

足の指が削られるっていう感覚はありました。痛みはなかったんですけど、恐怖はありましたね。

親指の肉は骨に迫るほど削られ、膝や腕にも、痛々しい擦り傷が残る。

それでも容赦なく加速するバイク。西本さんは、最後の賭けに出た。

西本さん​:

背中の力を使って、脚は踏ん張りが利かないですけど、荷台を持ってよじ登るような形で、後ろから犯人をガッとつかむような感じで。

バイクを這い上がり、荷台に体重をかけたその時、バイクはバランスを崩し地面に倒れた。

西本さん​:

犯人は逃げようとしてジタバタして、自分が強く押さえ込みに入った時に「降参だ」って言いましたね。

キツいと思って諦めるのか、勇気をもって立ち向かうのか。そこで大きく結果は左右されると思っていますので、そこを超えられたのは筋トレをしていたからだと思います。

調べに対し、石沢容疑者は「10回ぐらいやりました」と供述。

実は名古屋市内では、7月8日からバイクによるひったくりが27件発生していた。警察は余罪を追及するとともに、他にも容疑者がいるとみて捜査を進めている。

(「Mr.サンデー」8月18日放送より)