JR&北陸新幹線“京都~新大阪間のナゾの途中駅”「松井山手」には何がある?

AI要約

北陸新幹線が敦賀駅まで延伸開業して5か月、乗り継ぎの不便さが残る中、敦賀駅までの新幹線が定着しつつある。

北陸新幹線はまだ未完成で、終点を目指して京都を経由し新大阪への延伸が計画されている。その中で注目される松井山手駅について詳細を紹介。

松井山手駅は学研都市線の駅であり、大阪から奈良方面へのアクセスを担う重要な駅として知られている。周辺には商業施設や都市施設が充実している。

JR&北陸新幹線“京都~新大阪間のナゾの途中駅”「松井山手」には何がある?

 北陸新幹線が敦賀駅まで延伸開業して、5か月あまり。まだまだ乗り継ぎが不便だなんだという声も途切れないようだが、まあそれなりに敦賀駅までの新幹線、として定着した感がある。

 ただ、北陸新幹線はこれで完成ではない。まだまだ先に線路を延ばし、最終的には京都を経て新大阪へ。京都までのルートには米原経由がいいだとかなんだとか、これまたいろいろな意見が上がっているものの、基本的には小浜経由で京都府内を南北に走るということで決着済みだ。

 先だって、国土交通省と鉄道・運輸機構は新大阪までの詳細なルート案を公表している。気になるところがいろいろと盛りだくさんなのだが、その中でひとつ。京都~新大阪間に設置される予定の途中駅、松井山手駅である。

 北陸新幹線の京都~新大阪間では松井山手に駅が設けられることは、2017年にはすでに決まっていた。そしてそもそも、松井山手駅はいまもある。大阪から奈良方面までを結ぶJR学研都市線の駅だ。

 大阪方面からは松井山手行きの各駅停車も走っており、京橋からJR東西線、そして神戸方面への直通列車もあるから、阪神地域の人たちには聞きなじみのある駅のひとつではないかと思う。

 そんな松井山手駅とは、いったいどんな駅なのだろうか。新幹線駅になって全国区になる前に、松井山手駅に行っておかねばならない。

 そういうわけで、京橋駅から学研都市線の区間快速に乗った。松井山手駅には学研都市線のすべての列車が停まるから、わざわざ松井山手行きの各駅停車を選ぶ必要はない。区間快速ならば、京橋駅から松井山手駅まで30分ちょっとである。

 学研都市線は、大阪平野と奈良盆地を結ぶいくつかの路線のひとつだ。両者は生駒山地によって隔てられており、たとえばJR大和路線や近鉄大阪線は生駒山地の南側を抜けている。険しい山をトンネルで貫き、ほとんど一直線に走っているのが近鉄奈良線だ。

 そして、学研都市線はただひとつ生駒山地の北側を走る。地図で見るとだいぶ遠回りのきらいもあるけれど、途中には四條畷市や交野市、枚方市といった町があり、沿線の通勤通学輸送で八面六臂、というわけだ。

 松井山手駅は、そんな学研都市線が生駒山地をぐるりと回る北の突端にある。ちょうどお隣の長尾駅から府境を跨ぎ、京都府に入って最初の駅が松井山手駅だ。所在地は、京都府京田辺市。なだらかな長尾丘陵に位置し、そのまま南に向かって生駒山地へと続いていく、そうした場所に松井山手駅はある。

 丘陵地の駅らしく、線路とホームは堀割の下。屋根もあるおかげで、太陽の光があまり入らずにちょっと薄暗目のホーム。そこから階段を登って改札を抜けると、堀割を跨ぐように東西の自由通路があって、東口と西口に続いている。

 まず西口に出てみると、最初に目に留まったのは一休さん。橋を渡るなと言われて真ん中を渡ったあの一休さん。いったいなんで松井山手駅前に一休さんがいるのかというと、トンチではなくホンモノの実在する一休禅師が晩年を過ごした酬恩庵一休寺が京田辺市にあるから。近鉄新田辺駅前にも一休さんの像があるというが、大阪方面からやってきて最初の駅ということで、松井山手駅にも一休さんがいるのだろう。

 ただ、この駅で降りた人のほとんどは一休さんに目もくれずに歩いてゆく。その先には、フレスト松井山手店という商業施設があった。大きな駐車場を抱えるこの商業施設の向こう側にも、ケーズデンキをはじめとする商業施設が見える。

「山手幹線」と名付けられた、学研都市線の線路を跨いで東西に走る大通りにはたくさんのクルマが絶え間なく走り交い、その道沿いにもファミレスなどチェーンの飲食店が並んでいる。このあたりの風景は、駅前というよりは郊外のロードサイドのような雰囲気だ。