フリーアナの”体臭騒動”は異常すぎる…そもそもズレている日本人の「体臭への意識」

AI要約

フリーアナウンサーの川口ゆりが、夏場の男性の体臭について投稿し、所属事務所から解雇される事件が起きた。川口アナは以前から多様性を重要視しており、今回の投稿は一部で過剰反応となった。

投稿は他人の体臭に対する主観だが、自己基準まで示したことで問題視された。アナウンサーの立場からの発言として、上から目線に映った可能性もある。

一部では川口アナの意見が社会の否定材料になる恐れもあることを指摘している。

フリーアナの”体臭騒動”は異常すぎる…そもそもズレている日本人の「体臭への意識」

フリーアナウンサーの川口ゆり(29)が、X(旧ツイッター)で、夏場の男性の体臭について苦言を述べたところ、反響が大きく、所属事務所VOICEから「異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為」を理由に、10日をもって契約解消されてしまった。さらに講演の契約をしていた青山プロダクションも同日、まったく同文の「異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為」で契約を解除。

「異性の名誉」という聞きなれない文章が偶然重なるとは思えないから、おそらくは両事務所が示し合わせたものだろう。

この判断には、ネット上でも「厳しすぎる」、「過剰反応」という意見があったが、芸能プロからすれば、彼女に引き止めるほどの商品価値を見出せなかったということか。

残念なのは、川口アナが上記に書いたような人の多様性について、無関心ではない職にいることだ。彼女は19年3月、Xにこう投稿していた。

『「普通は」「常識的に」「当たり前でしょ」という言葉をここ一年くらいで本当に使わなくなった。「多くの人は」「一般的には」との違いをきちんと明確に線引きしながら、多様性を寛容していける日々を過ごしていきたい』

一般論の幅が広くなっていることを認識していたが、今回の投稿は気遣いが不足していた。

「ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど、夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる。常に清潔な状態でいたいので1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…」

他人の体臭が苦手と言うこと自体は当人の主観だから、問題投稿とは思わないが、そこに自己基準の「1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤」まで持ち出したことで、人によっては「そこまでやれないよ!」と感じてしまう。

それこそ筆者の住むマレーシアだったら「浴びれるものなら浴びたいよ!」と言う人だっているだろうし、日本にいる男性全員が川口アナの呼びかけで同じ対策をすることはありえない。特に「1日数回シャワー」というのは極端すぎて、それがアナウンサーの立場からだと、上から目線に感じられる部分もある。

ちょっと思い出したのは、日本の居酒屋で飲んでいた、50歳前後ぐらいのサラリーマンらしき中年男性がしていた会話だ。

「最近、テレビつけるとさ、お口のエチケットだっていう商品のCMやってて、次のCMがまた、女の子がね、帰ってきたパパのシャツのニオイが臭いって言う柔軟剤のやつなの。またちょっと見てたら、足の嫌な匂いをブロック!とかやってて。さらに加齢臭とかまで言われちゃうと、僕ら人間はそんなに臭いのかよ!って」

別の男性が「生きているだけで罪ってことですよ、我々オジサンは」と自虐的に笑っていたが、川口アナの意見は、もしかすると、なにかと他を否定する材料を見つける、息苦しい社会に繋がる話にも見える。