1週間、夜の津波に備え高台避難 三重・尾鷲のグループホーム

AI要約

三重県尾鷲市のグループホームが南海トラフ地震の影響で入居者を高台の施設に1週間避難させる措置を取った

津波ハザードマップの想定浸水域内に位置するため、想定される津波の到達時間と波の高さが気になる

専門家は巨大地震に対する対応は個々の判断が求められると指摘

 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を受け、注意呼びかけの対象となった三重県尾鷲市のグループホームでは、入居者を16日までの1週間、高台の施設に避難させた。海が近く、運営する団体は「職員が少ない夜間に津波が来た場合、避難誘導することは難しい」として、想定外の災害が起こり得ることも考慮し決めた。

 尾鷲市のNPO法人「あいあい」が運営する2階建てのグループホームは、津波ハザードマップの想定浸水域内。南海トラフ巨大地震で津波が発生すると、ホーム付近の沿岸には最速5分以内で到達し、波高は最大11メートルに達すると予想。

 8日の発表を受け、9日に入居者9人を、法人が管理する高台の高齢者施設の空室などに避難させた。

 東大の片田敏孝特任教授(災害社会工学)は「巨大地震注意は、防災対応を具体的に指示する『行動指南型』の情報ではないため、それぞれが責任を持って決断することが求められる」と指摘する。