女性が「同性が座る席の隣」を選べる機能をインドの航空会社が試験中

AI要約

インドの航空会社IndiGoが女性専用の隣の席選択機能を導入

女性客の旅行体験を快適にする取り組みで、セクハラ事案の報告も

航空会社でのセクハラ問題についての訴訟や対応の課題

女性が「同性が座る席の隣」を選べる機能をインドの航空会社が試験中

世界最大の航空会社の1つであるインドのIndiGo(インディゴ)は、女性の乗客が同性の隣の席を選択できる機能を導入した。現在試験中のこの機能では、女性客はチェックイン時に表示される座席表で他の乗客の性別を確認することができる。

インディゴの広報担当者の説明によると、この機能は「女性客の旅行体験をより快適なものにすることが目的」という。女性客は予約便のチェックイン時に座席選択のページでピンク色の座席があることに気づくはずだ。予約時に性別を申告した女性のみがこの機能を利用できる。男性客には他の乗客の性別は表示されない。

フライト中のセクハラや暴行が報告されていることを考えると、この機能があることで安心感を覚える女性もいるかもしれない。インディゴでは昨年、深夜のフライト中に男性客が肘掛けを持ち上げて隣の席に手を伸ばし、女性の体を触るという事案があった。インディゴ便の搭乗待ちの列に並んでいた女性客が、酔っ払った男性客に体を触られたという別の事案も報告されている。

米国では、こうした事案は訴訟を通じて公になることが多い。近年、そのような事例がいくつかあり、そのうちの1つが性的暴行を受けた女性がデルタ航空を訴えているケースだ。原告の隣の席に座っていた男性は裁判で、原告の手を自分の股に持っていったことを認めた。男性はまた、原告のシャツの下に手を入れて胸を触った。原告はこの訴訟で、デルタ航空は男性に多くのアルコールを提供し、性的暴行の防止と対処方法について従業員に適切な訓練を行わず、乗客を保護しなかったと主張している。同航空はまた、フライト中に少女(13)の体を触った男性に多量のアルコールを提供したとして訴えられてもいる。

米国のほとんどの大手航空会社は同様の問題を抱えている。アラスカ航空では、機内で女性の体を触った男を乗り合わせた非番の警官2人が取り押さえるという事案があった。また、同航空の別の便では、男性が女性の太ももを触っていた事実を隠すために毛布を使っていたと被害に遭った女性が報告している。ファーストクラスの乗客も必ずしも安全ではない。ある女性は、ファーストクラスで隣の席に座った男性に髪を触られ、尻をつかまれたとしてアメリカン航空を訴えている。スピリット航空とユナイテッド航空でもフライト中に同様の事案があった。

すべての被害者が女性というわけではない。サウスウエスト航空は今年、隣の席の酔った男性(50)に体を触られたとして少年(16)に訴えられた。

こうした痴漢行為は今に始まったことではない。20年前には、米ハワイ州下院の元議長が、隣の席の女性の股間を触ったと告発され、辞職に追い込まれた。また、10年ほど前には、カトリック教会の神父が隣の席の女性の胸を触って禁錮6カ月を言い渡された。

残念ながら、このような事案の発生頻度について信頼できる統計はない。エレノア・ホルムズ・ノートン下院議員は2014年に機内での性的暴行を追跡する法案を提出したが、通過しなかった。体を触られたという証言は数多くあるが、毎日300万人近くが飛行機を利用しており、大多数の男性は同乗者に迷惑をかけていないことも忘れてはならない。

痴漢の証言のほとんどに酔っ払った乗客が関わっている。この問題を懸念している航空会社は、機内でのアルコールの提供に関する規則を見直した方がいいかもしれない。

インディゴの担当者は、新しい機能の導入は市場調査を受けてのもので、「現在、当社の『#GirlPower』の理念に沿って試験されている」と説明した。同社は女性や少女らを力づける取り組みを他にも行っており、世界の航空会社の中でも女性パイロットの割合はトップクラスだとアピールしている。