岸田首相が退陣表明 裏金で引責「党変わる一歩」 石破氏ら後継狙う・総裁選

AI要約

岸田文雄首相が自民党総裁選に出馬せず退陣する意向を表明。

派閥裏金事件を踏まえ、政治不信を解消するための決断。

次期首相争いには石破茂や茂木敏充らが出馬意欲。

 岸田文雄首相(67)は14日、首相官邸で記者会見し、9月に予定する自民党総裁選に出馬せず退陣する意向を表明した。

 派閥裏金事件による深刻な政治不信を踏まえ、「自民が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と語った。次期首相を争う総裁選には、石破茂元幹事長(67)や茂木敏充幹事長(68)らが出馬に意欲を示している。

 首相は会見で「派閥解消、衆院政治倫理審査会出席など国民の方を向いて重い決断をした。残されたのは自民トップとしての責任だ」と指摘。「組織の長として責任を取ることにいささかのちゅうちょもない。この時点でけじめをつけて総裁選に向かいたい」と述べた。

 自民は20日の選挙管理委員会で、総裁選日程を決定する。首相は「積極的に手を挙げて真剣勝負の議論を戦わせてほしい」と訴えた。

 支持候補については「不出馬を表明した人間が何か言うのは控えるべきだ」と述べるにとどめた。ただし、新総裁は「改革マインドが後戻りすることがない方であってもらいたい」と強調。「一致団結して真のドリームチームを作ってもらいたい。大切なのは国民の共感を得られる政治を実現することだ」とも語った。

 首相は2021年9月の総裁選に勝利し、同10月に岸田内閣が発足。首相は約3年の政権運営について、デフレ脱却や賃上げ、原発再稼働、少子化対策、防衛力強化、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)開催などを列挙し「政策課題の成果は大きなものがあった」と誇示した。