日本のDXを先頭で進める、デジタル大臣・河野太郎 2年間を振り返る

AI要約

デジタル庁は日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)改革の司令塔であり、河野太郎氏はDXを加速させるために取り組む課題を語る。

河野氏は「霞が関は間違わない」という従来の姿勢を捨て、失敗を恐れず変革を進めるアジャイルな手法を推進している。

河野氏は国土交通省との連携で日本版ライドシェアを開始し、利用者の声を重視しながらサービスの改善を進めている。

日本のDXを先頭で進める、デジタル大臣・河野太郎 2年間を振り返る

デジタル庁は「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現に向けて、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)改革の司令塔を担う行政機関だ。

2022年8月にデジタル大臣に就任した河野太郎氏が2年間の業績を振り返りながら、日本のデジタル化をさらに加速させるために、今も取り組む課題を聞いた。

■まず「霞が関は間違わない」という考え方を捨てることから

近年のデジタル技術は目覚ましい進化を遂げている。だが、一方で最先端のデジタルテクノロジーにすばやく順応して、生活や仕事の中に採り入れられる人とそうでない人との間に隔たりもある。河野大臣はDXを実現するために「変わることをおそれない姿勢」を持つことが大切だと説く。

「デジタル大臣に就任する以前に、規制改革担当大臣としてさまざまな行政のデジタル化に取り組みました。当時、認印(みとめいん)は本人確認の手段として意味がないので廃止するべきと提言しました。その際、すぐに対応できた役所とそうでない役所がありました」

「おそらくは人が集まるすべての組織において同じことが言えます。それまでに続けてきたことも必要に応じて変えることができれば、円滑なDXを進めて差を付けることができるはずです」

河野大臣は今も行政機関のDXを押し進めるため、「霞が関は間違わない」という従来からありがな姿勢を打破する姿勢を、采配の前面に打ち出している。状況の変化に対する迅速な判断と、より良い仕組みやサービスをつくるためさまざまな策を講じて、失敗を重ねながらも前に進むアジャイルな手法を根づかせることに腐心してきた。

また、今年4月から国土交通省との連携で、日本版ライドシェアがスタートした。ライドシェアの普及を拡大するために河野大臣は「提供を開始してから利用者の声を丁寧に聞き、変えるべきところは思い切って変える方針を進めてきた」と振り返る。

「ライドシェアの優先事項は、利用者の利便性向上の観点から『移動の足』を確保すること。その考え方から7月以降、移動需要の増加に対して日本版ライドシェアの車両を増やすバージョンアップを図りました。1時間5ミリ以上の降水量が予報される雨天時や気温が35度を超すことが予報される時間帯は、従来は車両が使えなかった時間帯も使用可能にする。そしてこれまでも使用可能だった時間帯は車両をさらに増やすことで移動の足不足を解消します。国土交通省のアジャイルな制度改革対応に感謝しています」