94歳の元少年隊員が目撃した「731部隊の大罪」…「頭部のホルマリン漬け」「少年隊員への人体実験」「遺骨は川に遺棄」
731部隊は細菌兵器などの製造を行い、拘束した中国人らを「マルタ」と呼んで人体実験を繰り返していた旧日本陸軍の部隊であり、多くの年少者も巻き込まれていた。
清水英男さん(94歳)は731部隊の元少年隊員であり、人体実験の恐ろしい実態について証言している。清水さんたちは無知のままこの恐るべき研究に参加させられた。
731部隊は病原菌研究や生物兵器の開発を行っており、人道に反する残虐な実験や行為が行われていた。
細菌兵器などの製造を行い、拘束した中国人らを「マルタ」と呼んで人体実験を繰り返していた旧日本陸軍の通称・731部隊。太平洋戦争末期になると年端もいかない少年少女を集め、何も知らされぬまま研究に加担させられていた。
今年94歳になった元少年隊員の清水英男さん=長野県=もその一人だ。何も知らされぬまま入隊した清水さんは生涯忘れられぬ光景を目撃する。「「731は殺人部隊」94歳の元少年隊員が語る、79年目の真実…「凍傷や被弾で極限まで身体を破壊」「強制的に血液を抜いて失血死」おぞましい人体実験の数々」より続けて報じる。
731部隊。正式名称は「関東軍防疫給水部」といい、軍医だった石井四郎中将が率いた陸軍の研究機関のひとつ。旧満州国(現・中国東北部)のハルビン郊外に研究施設が設置され、兵士の感染症予防のため、給水を目的とした研究が行われていた。同時に細菌戦に使用するための生物兵器の研究・開発していたことでも知られている。
被験者たちは捕虜やスパイとしてとらえられた中国人や朝鮮人らが中心だった。しかし、中には一般人や女性、子どももいたとの証言も残されている。彼ら、彼女らは「マルタ」との隠語で呼ばれ、人間扱いされていなかった。
長野県に住む清水英男さん(94歳)は、何も知らされぬまま少年隊員となった。
清水さんたちは教育隊第4期生。全国から同じような少年たちが集められ、清水さんは34人の同期と入隊した。少年隊員は合計で1000人程度いたと言われている。
「入隊してすぐに細菌の勉強が始まりました。ある日、上官から郊外にある地下80~90センチの永久凍土に造られた掩体壕に連れていかれてね。病原菌が閉じ込められている、と。もし溶ければ未知の病原体が流行する危険があることも教えられました。上官はいい人でした。確かに厳しかったですが、軍隊のほかの少年隊と違って殴られることもありませんでした」(清水さん、以下「」も)
