長崎市・鈴木史朗市長「原爆の日」平和祈念式典に駐日アメリカ大使ら欠席 各国大使に「口頭で説明、理解を求めた。平行線のところもある」イスラエル不招待は「政治的理由ではない」

AI要約

長崎市が8月9日の「原爆の日」に行う平和祈念式典に、アメリカ、イギリスなど6カ国の大使が欠席することについて、当初はイスラエルを招待するよう求める書簡が届いたが、後に招待しない旨を公表し、各国はそれを受けて出席しないことを決定した。

鈴木市長は決定について「政治的な理由ではなく、厳粛な雰囲気で式典を円滑に実施したい」と述べ、書簡の内容や対応について詳細な説明を行った。

相手国の立場を考慮し、書簡があったことを公表しなかった理由や、日本政府との連携についても説明し、今後も相互理解を深める努力を続ける考えを示した。

長崎市・鈴木史朗市長「原爆の日」平和祈念式典に駐日アメリカ大使ら欠席 各国大使に「口頭で説明、理解を求めた。平行線のところもある」イスラエル不招待は「政治的理由ではない」

 長崎市が8月9日の「原爆の日」に行う平和祈念式典に駐日アメリカ大使らが欠席することについて、長崎市の鈴木史朗市長が8日、会見に応じた。G7(主要7カ国)のうち日本を除くアメリカ、イギリスなど6カ国の大使が連名で、長崎市にイスラエルを招待するように求める書簡が7月25日に届いていたとし、同31日に鈴木市長は招待しない旨を公表。各国はこれを受けて出席しないことを決めている。会見では、改めて「あくまで政治的な理由ではなく、厳粛な雰囲気で式典を円滑に実施したいため」と述べた。

 鈴木市長は、書簡について「郵送で受け取ったのは7月25日。書簡はイスラエル大使が式典にご招待いただけない可能性があることを憂慮しているということ、招請しないことは結果的にイスラエルをロシア・ベラルーシといった式典に招請されていない国と同等にみなすということになり遺憾であり、誤った印象を与えることになるということ、イスラエルが除外されることがあれば式典にハイレベルな参加者を派遣することは難しくなるということ、これが主な内容です」と説明した。

 対応については「これまでもお話ししている通り、決して政治的な理由でイスラエル大使に対して招待状を発出しないということではなく、あくまでも平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで式典を円滑に実施したい、そういう思いのもとで今回、こういう決定をさせていただいた。大変苦渋の決断だった。G7各国およびEUからの書簡をいただいたことは、私がご説明してきた内容がまだ十分にご理解いただけていない結果だと理解している」と語った。さらに「既に書簡を受け取り、7月31日に最終的にイスラエル大使を招待しない、招待状を発出しないと決定し発表したが、その後に各国の大使または代理となる方に対して、私から口頭でなんらかの形でご説明させていただき、ご理解を求めた。説明に関して十分にご理解いただけたとは思っておらず、平行線のところもある。引き続き必要に応じて、機会を捉えて説明し、理解を求めたい」とした。

 書簡があったことをこの時期まで公表しなかったことについては「相手国の立場もあり、相手国が書簡の公表を望んでいるか確認が取れておらず、こちらからあえてその存在を公表していなかった」とし、イスラエル大使を招待しなかったことを決める上での日本政府との連携には「あくまで長崎市として、長崎市の立場で判断した。外務省との間は国際情勢をはじめ、常に情報共有している」とした。

(ABEMA NEWS)