パパのあとだけは嫌!「お父さんの便」がクサいのはなぜ?専門医が教える“家庭円満”の秘訣

AI要約

中年男性の便の臭いについて、消化器内科医の石黒智也先生が解説。便の臭いは腸内環境や食事によるものであり、肉やイオウ成分を多く含む食事が原因とされる。

脂っぽい肉や高脂肪・高たんぱくの食事を摂取しすぎると、大腸で悪玉菌が優勢になり、便が臭くなる。個人の代謝の速さも便の臭いに影響を与える。

便の臭いがきつい場合は、腸内環境の改善が重要。バランスの良い食事や生活習慣の見直しをすることで、臭いを軽減できる可能性がある。

パパのあとだけは嫌!「お父さんの便」がクサいのはなぜ?専門医が教える“家庭円満”の秘訣

 「パパの後、くさいから嫌!」――小学校高学年の娘が放った言葉。これは多くの中年男性が直面する問題かもしれない。消化器内科医の石黒智也先生が、匂いの原因や対策について詳しく解説。腸内環境の重要性や生活習慣の見直しによる改善策など、今すぐ取り組めるアドバイスも紹介する。家族円満の一助になることを願ってやまない。(取材・文/鳥居りんこ)

● 中年期の男性の便はなぜ臭う?

 小学校高学年の娘を持つ浩さん(仮名)が相談とも愚痴ともつかぬ様子でこう言った。

 「最近、娘が僕のことを毛嫌いするようになって…。パパはくさいから嫌だって言うんですよ」

 「思春期の娘が父親を嫌うというのはよくあることで、一過性のものであるケースがほとんどって聞きますよ」と慰めようとしたら、浩さんが「心底困っていることがある」と打ち明けてくれた。

 それは、己のトイレ後のにおい。娘さんは浩さんが使用したトイレの後には絶対に入らないそうで、浩さん自身にもにおいの自覚があるそうだ。

 そういえば、筆者にも心当たりがある。思春期の頃は確かに父親が用を足した後のトイレに入るのは苦痛だった。そういえば、母親のそれを嫌だと思った記憶はない。もしかして、中年期の男性の便はにおうのだろうか?

 その疑問を解決すべく『消化器内科の名医が本音で診断 お腹のトラブル撲滅宣言』(双葉社)を出した消化器内科医の石黒智也先生に聞いてみた。

 ――単刀直入にお伺いしますが、お父さんのうんちというのはくさいものですか?

 石黒医師(以下、石黒) お父さんのうんちというよりも、元々、うんちはくさいものです(笑)。性別や年齢というよりも、腸内環境によるところが大きいと思いますよ。

 石黒 僕自身は父のうんちがくさいと思ったことはそもそもないんですが、もし、中年男性の便のほうがくさいのであれば、脂っぽい肉系のものを摂取する機会が多いからだと思います。肉料理を召し上がる人のほうが野菜料理よりも、便のにおいは強くなります。

 ――肉料理を食べるとにおいが強くなるのはどうしてですか?

 石黒 肉だけではなく高たんぱく・高脂肪の食品、ネギ・にんにく類などのイオウ成分が多い食物も、においという面では要注意なんですが、これらを沢山、摂取すると、スカトールやインドールと呼ばれる「におい物質」を作り出すのです。たんぱく質が悪玉菌によって分解されるときに出る物質なのですが、これが、いわゆる大人のうんちのにおいの元になります。

 ――つまり、便が強烈にくさいときは、腸内で悪玉菌が優勢ということでしょうか?

 石黒 そうです。たんぱく質や脂肪が消化吸収しきれぬまま大腸に届くと、腸内では悪玉菌が優勢となり、腸内で腐敗を起こすんですね。逆に言えば、においがきついなというときは、腸内環境が悪化していると考えられます。

 ――肉中心の高脂肪・高たんぱくの食事のとり過ぎは便がくさくなるということですが、沢山、肉を食べる若者でも同じように便はくさくなるのでしょうか?お父さんの便は臭いというイメージはありますが、若者では、そういった悩みをあまり聞かない気もします。

 石黒 もちろん、若者であっても肉を食べ過ぎれば、結果、便はくさくなります。違うのは代謝。やはり、中高年になると代謝は落ちます。代謝が落ちるということは、体に悪いものが溜まるってことなので、体臭も含めて、においもきつくなるって傾向はあるでしょう。やはり、代謝がいい人のほうが体はきれいになるんです。