立民代表再選にらむ泉氏、熟考の枝野氏 「第3の候補」待望論も 野党第一党「政局の夏」

AI要約

立憲民主党の次期代表選の日程が決定し、泉健太代表と枝野幸男前代表の立候補が有力視される中、第3の候補の存在も注目されている。

泉氏の基盤は強固とは言えず、推薦人20人を集めることが課題となっている。一方、枝野氏の出馬に関しては熟考中であり、世論や党内情勢を考慮して判断する可能性が高い。

枝野氏の懸念材料は、以前の衆院選で敗れて代表を退いた経緯であり、新代表のもとでの次期衆院選への立憲民主党の臨む可能性が高いことが苦戦要因となる可能性がある。

立民代表再選にらむ泉氏、熟考の枝野氏 「第3の候補」待望論も 野党第一党「政局の夏」

立憲民主党の次期代表選は7日、日程が「9月7日告示、同23日投開票」と決まり、事実上のキックオフを迎えた。現時点で出馬を正式表明している議員はおらず、泉健太代表、枝野幸男前代表の新旧トップの立候補が有力視される。両氏とは別の「第3の候補」が立つかどうかも焦点だ。今後は、出馬に必要な推薦人20人の確保などを巡る攻防が過熱し、野党第一党は「政局の夏」に突入する。

■基盤強固と言えず

代表選の日程が承認された7日の両院議員総会。壇上の泉氏に、普段のにこやかな笑顔はなかった。

無理もない。代表再選への意欲をにじませる泉氏だが、その基盤は強固とはいえないからだ。泉氏を支える党内グループ「新政権研究会」(約20人)以外への浸透が読み切れない上、メンバーの中には他グループとの掛け持ちの議員もいる。立民のグループは、自民党派閥に比べると結束の度合いが緩やかだ。確実に推薦人20人を集めることができるという保証はない。

総会後、泉氏はさっそく野田佳彦元首相、江田憲司元代表代行ら党内の有力者の事務所へと足を運んだ。関係者によると、野田氏に対しては代表在任中の協力への謝意を伝え、江田氏とは今後の党の在り方について意見を交わした。代表選で広範な支持を得るための地ならしにほかならない。

泉氏は、令和3年10月の衆院選敗北で引責辞任した枝野氏からバトンを受け、党の再建を図ってきた。新政権研究会所属の中堅は、4月の衆院3補欠選挙で全勝した成果などを挙げ「泉氏は結果を出している」と強調するが、党内には閣僚経験のない泉氏の手腕を疑問視する向きもある。

■「選挙の顔」にふさわしいか

そこで浮上しているのが、官房長官などの要職を務めた経験も持つ枝野氏への待望論だ。枝野氏は代表選出馬に関し「熟考中だ」と周囲に語り、完全に意向を固めているとはいえない状況だ。世論や党内情勢を考慮し、立候補の可否を判断するとみられる。枝野氏に近い若手は「出ると決めるなら当選のために動く」と言い切る。

枝野氏にとっての懸念材料は、衆院選で敗れて代表を退いた経緯だ。立民が新代表のもとで次期衆院選に臨む可能性は極めて高い。「選挙の顔」としてふさわしくないという見方が党内に広がれば、代表選に出たとしても苦戦は必至だ。