「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2024、ワースト1位はサーフィンで人気のビーチ

AI要約

夏の海水浴場をテーマに、ふん便性大腸菌数を基準にしたランキング記事。

全国各地の海水浴場の水質を「AA~C」のランク付けで紹介。

千葉県が多くランクインし、結果を受けて各海水浴場の特徴も披露。

「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2024、ワースト1位はサーフィンで人気のビーチ

● 「ふん便性大腸菌」をテーマに 海水浴場を格付け!

 夏といえば海水浴。ダイヤモンド・オンラインでは、8月2日配信の『水がきれいな海水浴場ランキング2024』を皮切りに、日本全国の海水浴場(※)に関するさまざまなランキング記事をお届けしている。

 ※川、湖沼を含む。本稿では海・川・湖沼の水浴場をまとめて「海水浴場」と表記する。

 今回は、水質判定基準として用いられている「ふん便性大腸菌群数」(個/100ml)に焦点を当てて、各地の水質を見ていく。ランキングの作成に当たっては、環境省が公表している日本全国の水浴場の水質調査結果を参照した。

 本題に入る前に、本稿で扱う指標である「ふん便性大腸菌群数」についての前提知識を解説しておく。

 大腸菌はヒトや動物のふん便由来のもの以外に、土壌や植物などから来るものもある。これらを識別し、より的確にふん便汚染を把握するために行うのが、ふん便性大腸菌群数の調査だ。

 環境省の水質格付けで最高位の「AA」を獲得するには、ふん便性大腸菌群が「100ml当たり2個未満」(複数回測定した平均値)のハードルをクリアしなければならない。同様に「A」は100個以下、「B」は400個以下、「C」は1000個以下、「不適」は1000個超となっている(同省はAAとAを「適」、BとCを「可」と位置付けている)。

 ダイヤモンド編集部による「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキングでは、水質格付けが「A~C」の海水浴場のうち、ふん便性大腸菌群数(個/100ml)の平均値が10個以上を対象とした。

 今回は、その上位10カ所をご紹介する。順位はふん便性大腸菌群数が多い順だが、個数が同じで水質の格付けが異なる場合は、格付けが低い海水浴場を上位とした。

 それでは、ランキングを見ていこう。

● ワースト5位のうち 3カ所が千葉県勢

 今回のランキングでは、2つの海水浴場が1位となった。新潟県長岡市の寺泊(てらどまり)中央と、千葉県九十九里町の片貝(かたかい)である。いずれもふん便性大腸菌群数は180個/100ml。水質格付けは「B」となっている。

 寺泊中央は付近に市場があり、海産物などの買い物が楽しめる。片貝はサーフィンなどのマリンスポーツが盛んで、夏以外も賑わっているという。だが今回のランキングでは、そろってワースト1位となった。

 ランキング3位には、こちらも2つの海水浴場が入った。千葉県鴨川市の内浦と、北海道小樽市の銭函(ぜにばこ)だ。いずれもふん便性大腸菌群数は160個/100ml。水質格付けは「B」となっている。

 内浦は花火大会を連日連夜開催しているのが売りで、今夏も8月1~18日にかけて、毎晩120発を打ち上げるという。銭函は「ホッキ貝」が獲れるほか、バーベキューも可能な魅力ある海水浴場だ。しかし残念ながら、ふん便性大腸菌群数ではともに全国ワースト3位となってしまった。

 ランキング5位は、先述した内浦と同じ千葉・九十九里の不動堂。ふん便性大腸菌群数は140個/100ml。水質格付けは「B」である。

 以降も千葉県の海水浴場が続き、6位は小松(千葉県山武市、98個/100ml)、7位は中央(千葉県御宿町、95個/100ml)、8位は真亀(千葉県九十九里町、92個/100ml)となった。

 9位は千葉県勢ではなく、奈良県曽爾村(そにむら)の丈萩(89個/100ml)がランクインした。奈良県は海に面しておらず、丈萩は貴重な「川の水浴場」だが、ランキングでは上位に入ってしまった。

 10位は新潟県佐渡市の佐和田(87個/100ml)が入った。今回は残念な結果となったが、佐和田は波が穏やかな遠浅の海岸であり、商店街にも近く、本来は家族連れでも楽しみやすい海水浴場である。

 なお意外なことに、ワースト100を網羅したランキング完全版には、奈良県の「川の水浴場」が複数含まれていた。さらに、「透き通った青い海」のイメージが強い沖縄県の海水浴場も散見された。

 上位に入ってしまったエリアの実名とは――。ぜひ、本記事と合わせてチェックしてみてほしい。

 (ダイヤモンド編集部 清水理裕、濵口翔太郎)